ファン養成ギプス

スポーツファン養成ギプス

 昨日はとても暖かく、子どもらの乗ったスクールバスは窓を開けていた。その開いた窓から叫び声が聞こえてきた。

 バスのなかで子どもらが声を合わせて「レッツゴー、レッドウィングス」と掛け声をかけている。NHLのプレーオフで、地元のデトロイトレッドウイングスは、3勝3敗で7戦目を控えていた。

 バスに乗っていた子どものうち、「あと1敗したら、今シーズンは終わり」というプレーオフのシステムを認識できていたのは、高学年の1、2人だろう。なのに、なぜ、幼稚園児も含む子どもたちが大合唱したのか。

 幼稚園クラスと小1クラスの子どもたちが、授業のなかで、レッドウイングスのお面というか帽子というか、を作っており、それを頭に被ったまま下校していたからだ。恐らく先生用のネタ本にこのような工作が掲載されていたのではないか。

 先生は「今日は、レッドウイングスを応援しましょう」と説明したに違いない。幼稚園児だとアイスホッケーとかNHLそのものを知らない子どももたくさんいるだろうが、「あーなんか、試合があるんだ…」ということはうっすら感じたかもしれない。

 顧客を作るには、将来、顧客になり得る子どもを今のうちから抱え込むことが大事だといわれている。

 子どものうちから地元を意識させ、地元のスポーツを応援するように導く。
 
 それも公立小学校の授業の一環としてやってくれるので、未来の顧客を作り出すのには極めて有効な手段となる。

 プロスポーツの営業も、これからは教材とリンクさせるというのはどうだろうか。ポケモンドラえもんといったキャラクターは子ども教育業界に定着している。

 小学生プロ野球算数問題集はいかがだろうか。

 低学年には得点を合計させたり、球場の大きさの計測をさせたり、試合開始時間は午後6時で、試合は8時50分に終わりました。試合は何時間かかったでしょうという時計問題もできる。打率や防御率の計算も高学年ならできる。

 そして、問題集を全部やり終えたら、無料で球場にご招待。(子どもだけを招待しても一人では球場に行けないので、親がついていく。親の入場料で儲けることができる)。

 さきほどのレッドウイングスは残念ながらプレーオフ敗退。しかも、試合開始が午後9時なので、多くの低学年の子どもはその試合結果を見届けることはできなかったと思うけど。

 この試合開始時間も、テレビ放映というビジネスゆえに仕方がないことなんだけど。