本を出していただきました

 子どもがひとりで遊べない国、アメリカ―安全・安心パニック時代のアメリカ子育て事情 米国に来て13年。メジャーリーグを取材するために日本からやってきて、その後、こちらで結婚したので、そのまま住み着いてしまいました。

 今、小学4年と2年(日本では3年と1年)の子どもがいます。

 米国は、日本よりも治安が悪いのかといえば、その統計上、数字上の答えは「はい」です。

 しかし、私は実際に危ないと感じたことがありません。これはとても嫌な言い方ですが、米国は格
 
 差社会であり、明らかに治安の良い地域、悪い地域の差があります。私が暮らしているところは

 中流層の多い(家族の年収600−800万)街であり、ここでは「空き巣」が新聞の地域面のトップで取り上げられています。

 ただ、子ども(目安としうて12歳以下)を子どもだけの状態にしてはいけないガイドライン(多くの州では州法でなく、ガイドライン)があり、小学生の子どもは親の目の届く範囲でしか遊べません。

 公園も友達の家も、習い事も親に付き添われて通います。

 私は町の治安に対して「安全」だと感じていますし、子どもにも、子どもだけで行動する力がついていると信頼しています。

 しかし、子どもだけで行動させることは、周囲の目、法律の力などから簡単なことではありませんでした。

 「子どもが安全でなくてもいいのか」「子どもが犯罪に巻き込まれてもよいのか」。

 もちろん、私だって、子どもが無事に1日を過ごしていることを強く願っています。

 しかし、「絶対安全」の踏み絵に、ただ手をこまねいて、一度しかない子ども時代をすごしてしまっていいのだろうか。

  そんな疑問から書き始めた本です。