24時間ルール

 24時間ルール
 数ヶ月前のことですが、ミシガン州デトロイト郊外の公立高校のアスレチックディレクター(運動部を統括する部長)に、高校スポーツについての話を聞きました。

 いろいろな話を伺ったのですが、少年スポーツ活動、または高校スポーツでの親とコーチについてご紹介したいと思います。

 何度もこのブログでも言及してきましたが、スポーツには当事者のプレーヤー以外に、観客や関係者を熱くする力があります。それは、ときに一体感や高揚感となり、忘れられない体験となります。その一方でスポーツの試合を発端としたフーリガン騒動や乱闘騒ぎが起こることもよく知られています。
 少年スポーツの場合は、観客の多くは親です。自分の子どもがスポーツするときには、ひいきのチームと同等か、それ以上の熱の入り方で応援することになります。(それを内に秘めるか、外に出すかは人それぞれ違うでしょうが)

 高校のアスレティックディレクターや、各コーチのもとにも、観客である親から様々な苦情が持ち込まれます。
 「子どもの出場機会が少ない」「あの指示はおかしいのではないか」
 自分の子どもの起用法から、戦術、勝敗についての苦情が主です。

 そこでこの高校では24時間ルールを設けています。親や観客は試合終了後24時間は、コーチに苦情や要望を申し立てることはしない、というものです。

 丸1日たてば、親も少しは冷静になります。話し合うなら、そこから始めようというわけです。

 また、高校生にもなれば子ども自身はチームでの自分の役割、自分の能力を把握できているのですが、親の方が見えていないことが多いとのこと。 子ども自身は自分の状況を受け入れて頑張っているのに「子どもの出場時間が短い」「ポジションを変えて欲しい」というリクエストが親から出ることもあるそうです。

 高校生より年少の少年スポーツでも、24時間ルールを適用しているコーチは、私の身近でも何人かいます。

 地域の少年スポーツ、高校スポーツ(大学以上は話が別)のコーチの多くは営利目的でなく、情熱や善意でボランティアでコーチをしている人が多いのです。親が苦情や要望を、親自身の中で咀嚼することなく、コーチにそのままぶつけていると、コーチは親の対応に追われていきます。

 そうすると、コーチは指導するエネルギーや時間をそがれ、結局は選手(子ども)にしわ寄せがきます。