障害児野球 追記

 今月中旬に発売された『体育科教育』(大修館書店)に、障害児野球のことを書いています。そのおまけとして私自身の感想をちょっとここに付け足しします。
 障害児野球として、ミシガン州のミラクルリーグを紹介しています。重い障害があっても子どもたちが野球を楽しめるように様々な工夫がなされています。
 記事のなかで、全員が打席に入るまで攻守交代しないなど独自のルールでプレーする非競技リーグと、本来のルールに近いスタイルで行う競技リーグの存在についてもふれています。
 私が取材したときには、競技リーグには車いすを使っている子どもは見当たらず、ダウン症や自閉症の子どもたちで編成されていました。介助者なしで走る、ボールを投げる、捕る子どもたちです。
 リーグの会長によると、競技リーグでプレーするか、非競技リーグでプレーするかは、保護者と本人が決めることになっており、トライアウト(入団テスト)等はないとのこと。ただし、競技リーグでは強い打球が飛んでくるなど危険もあるので、コーチや運営者と保護者が話し合うこともあるそうです。
 ミラクルリーグを作ってきた大人たちの力。存分に楽しむ子どもたちの笑顔。グラウンドの近所の人も彼らの楽しそうな様子にひかれて観戦に来ていました。私はここで野球を見るたびに「野球ってこんなに楽しいんだな」とうきうきしてきます。
 実は疑問がひとつあります。競技リーグには運動能力の高い子どもたちもいて、地域のレクリエーションチームでも楽しめそうだと感じました。地域でプレーすることを選ばなかったのか、もしかしたら選べなかったのか。
 全米レベルのニュースには障害のある高校生がフットボールやバスケットボールに出場して活躍する姿などを、見かけることがあります。
 ミラクルリーグの雰囲気がよいので、こちらでプレーすることを選んだのかもしれません。今シーズンが開幕したら、その辺りのお話もちょっと伺えたらと思っています。