ドラフトで指名された高校生選手と入団契約内容

米国の大学スポーツでは、男子バスケットボールとフットボールが花形競技。この2つのスポーツはテレビ中継でも人気で、巨額の放映権料が動いています。

大学が大きな収益を挙げる一方で、学生選手のステータスはアマチュアであるため、授業料などをカバーする奨学金しか与えられていません。

NFLとNBAにはマイナーリーグがないため、大学がその役割を担っています。プロ入り前の優秀な選手が揃っていることも人気の理由となっています。

詳しくはこちらの記事に書かれています。http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130502/247538/?P=3

 

一方で、大リーグの場合は、高校卒業時にドラフト指名される選手が多いのです。

しかし、メジャーリーグまでは長い道のりで、多くの選手は夢破れて、マイナーリーガーのまま引退しなければなりません。

いつからかわかりませんが、高校卒業時に、大リーグ球団と契約を結ぶ選手で、契約条件のなかに「球団が大学の授業料を負担すること」を入れる選手が増えてきているようです。

私が取材したなかではグレイディ・サイズモアがそのような契約条項を入れていたとのことでした。

もし、野球選手として身を立てられなかった場合には、セカンドキャリアを視野に入れて、大学に進学したいと考えている選手とその親たちがいます。

また、マイナー、メジャー問わず大学で学びたい選手のために大リーグ機構側は奨学金制度を設けています。こちらは1960年代から始まっているようです。引退後でも条件を満たしていれば、奨学金をもらうことができるようです。http://mlb.mlb.com/mlb/official_info/scholarship.jsp?content=guide

 

前述したように大学スポーツは男子バスケットボールとフットボールが花形。他のスポーツに比べて大学からの奨学金支給額も多いのです。

タイガースのトリー・ハンターは、メジャーリーグに黒人選手が少ないことについて「いろいろ理由がある。フットボールとバスケットボールは全額奨学金がもらえるので、そちらを目指す子どもが多いこともひとつ」と何度も繰り返し話しています。http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013041201001442.html

 

ちょうど1年前のニュースですが、大リーグがNCAAとパートナーシップを結び、奨学金を出すかもしれないというニュースも出ています。大リーグから学生にお金を出すことは、これまでのいろいろな規則を改正しないとできないことです。

このニュースでも、ハンター選手が指摘しているように、大リーグ側はより多様な選手に(ここでは黒人選手が少ないことを指しています)野球をプレーする機会を与えることが目的だとしています。