熱中症と練習時間制限 イリノイ州

 米国の高校スポーツは州ごとに協会や連盟があって、その協会や連盟の規則にそって運営されている。

 これはイリノイ州の高校スポーツの協会のアメリカンフットボールの話。http://www.chicagotribune.com/sports/highschool/football/ct-spt-0823-prep-foot-practice-changes-20130822,0,7984460.story

 最近、米国ではアメリカンフットボールでの脳震盪問題や、熱中症問題がクローズアップされている。それを受けての安全対策として、イリノイ州では、ハイスクル協会が規定の練習日数や、防具をつけての練習日を以前より減らしたと報じている。このことについての各指導者の意見を紹介した記事。もともと公式練習開始日はあって、練習日数の規定もあった。

 フットボールは8月末からの開幕で、夏休みは重要な準備期間となる。しかし、これまで夏休み中に2部練習していたものが、新しい規則では公式練習開始日から5日間は3時間まで。記事によると防具をつけていく日程も定められているようだ。暑さになれていない状態の練習1日目から、フルに防具をつけて練習しない。6日目からは休憩を挟んで5時間練習してもいいようだが、5時間練習の翌日は3時間にとどめるなどとなっている。

 おのずからタックルやコンタクトの練習時間も限られてくる。

 あるコーチは、これまでアメリカンフットボール経験のない新入生が、十分にコンタクトの練習を行わないままシーズンを迎えることを懸念。

 別のコーチは、正しい方向に近づいているのではないかという感想。これまでも子どもたちにタックルの練習をさせる前に、教える方法を好んできたと述べている。

 対戦相手校も同じ条件のなかで練習をしている。熱中症対策として時間が限られたことで、子どもたちが疲れた状態でなく、いきいきと、集中した状態で練習できているとの見方もあるみたいだ。

 ここから個人の感想。

 ルールという制限のなかで、ルールをよく理解して、うまく使いこなしてゲームをするのがスポーツの面白味のひとつだと私は思う。

 練習時間短縮の規則は、指導者にとって悩ましいところだろうけれども、このルールの範囲で、いかに開幕へ向けてチームをつくっていけるか工夫のしどころなんだろうな、というのが私の感想。

 こういう規則があっても、守られていなかったり、守る必要がないという雰囲気になるケースもあるかもしれない。生徒が個人で練習する場合は、この規則の対象外になるだろうから、合同自主練習のような、何らかの抜け道もあるのではないかと思う。機会があったら取材したい。

 イリノイ州の規則違反に課せられる罰は知らないけれども、ミシガン州の場合、協会の規則に違反すると、試合ができないという罰則が科せられるそうだ。

 アメリカの場合、保護者から規則違反ではないかというクレームがつくかもしれないし、対戦相手校とか、ライバル校が違反しているとクレームするかもしれないな。これも機会があったら取材したいと思う。