谷口輝世子Kiyoko Taniguchi

米国在住のライター。日本ではスポーツ紙の記者をしていました。スポーツ取材が中心です。

リトルリーグワールドシリーズと放映権 その後の人生

リトルリーグワールドシリーズの決勝は韓国ソウルが、米国イリノイ州のジャッキー・ロビソン・ウエストを下して優勝。全日程を終了しました。

今年のリトルリーグワールドシリーズでは女子選手のモネ・デービス投手の活躍があり、テレビ中継では高視聴率をたたきだし、球場は満員になりました。

リトルリーグの試合は、お客さんを呼ぶことができ、テレビでも視聴者をひきつけることが、また証明されました。

リトルリーグは、このリトルリーグワールドシリーズを中継するESPNと8年で7600万ドル(1ドル=100円だと、日本円で76億円)で契約しています。また、この大会のスポンサーとなっている会社からも4億円程度を得ているようです。会場やオンラインではグッズ商品も販売しています。

リトルリーグは非営利団体なのですが、この大きなお金はいったいどのように使われているのかということが話題になっています。

USA TODAY 

Little League means big business as revenues soar

の取材に対し、リトルリーグのCEOは、

リトルリーグの連盟に必要な主なコストは、ウィリアムズポート(大会が行われているところです)の本部と、5つの地方センター(コネチカット、ジョージア、テキサス、カリフォルニア、インデイアナ)とポーランドにあるフルタイムの施設、香港、プエルトリコ、カナダにある事務所の運営・維持としています。

このほかに、コーチや指導にあたる人の経歴、犯罪歴確認の費用や指導者講習をリトルリーグが負担。(犯罪歴確認というのが、いかにもアメリカらしいと私は思います)

リトルリーグワールドシリーズの大会出場選手の13選手と3コーチ分の旅費、宿泊費、食費を負担しているようです。

ただ、お金の使い道には透明性に欠ける部分があるのか、テネシー州ナシュビルのリトルリーグの会長も、USATODAYの記事のなかで「お金はどこにいっているのか?」という疑問を投げかけています。

そして、どうやらリトルリーグ連盟の「中の人」の給料が高いらしいという話も出ています。

巨額の放映権料が動くことから出場選手に報酬を支払うほうがいいのではという意見もあるようなのですが、私は反対。今でさえ、競争が激しい子どものスポーツ界に報酬が持ち込まれると、大会出場への名誉と報酬を目指して12、13歳の子どもたちがより激しい競争にさらされるのではないかと考えるからです。

世界中のリトルリーグ連盟に分配し、そこでも子どもたちに届けられるもので合って欲しい、と私は願っています。そして、もうひとつ。もし、リトルリーグワールドシリーズで活躍した選手が、これからの野球人生でつまづくことがあったら、それを支えるために使って欲しいという気持ちがあります。

もともと私はリトルリーグワールドシリーズが全米中継で大きな注目を浴びることには心配もあります。オリンピックで10代の選手が活躍して世界規模で注目を集めると、良きにつけ、悪しきにつけ、それがずっとついてまわります。

国際大会とはいえど、12、13歳の子ども同士が対戦するリトルリーグで全米の注目を集めた後のこと。まだ幼い選手たちが、周囲ばかりでなく、知らない人からの期待もうまくコントロールできるのか、と思うからです。

リトルリーグがスポーツ中継の重要なコンテンツであることが証明されて、この先も選手の露出が少なくなることはないでしょう。リトルリーグの収入が連盟に所属している選手ひとりひとりの利益になることと、もし、注目を集めたことで、その後に悩む選手がいるとしたら、そのサポートにもお金を使ってもらいたいと考えています。

例えば、メジャーリーグでは、マイナーリーグの選手や、一定の条件を満たして引退した選手に大学の奨学金を支給するシステムがあります。

私のイメージはそのようなものか、カウンセリングなどの相談を受けられるようなものです。