メジャーリーグの救急救命対策

試合が始まるよりもずっーと早くに球場入りするのは誰でしょう、クイズ。

グラウドキーパーさん、用具係りさん、バットボーイさん、警備員さんらのスタッフ、早出練習の選手、メディア関係者、球場内の売店で働く人。

こういった仕事だけではありません。救急救命士さんのグループもお客さんの入ってくる前に球場入りします。

デトロイトタイガースの本拠球場コメリカパークで仕事されている救急救命士さんの1日はこんな感じです。

いつも選手たちの練習が始まるころに、制服を着て、大きな荷物を抱えてグラウンドに入り。10人以上のグループのうち1人の救急救命士さんは、ベンチの端っこ、壁にぴったりくっつくような端っこに荷物を置いて、ご自身もそこに座る。この救命士さんともう1人はグラウンド内で発生する急病人やケガ人に対応するために、グラウンド内の様子の見守り。

あとのスタッフのみなさんは、球場の2階通路にある救護室へ向かいます。

そこで、備品や今日の球場の様子などを確認。球場が開門してお客さんが入ってくると、何人かのスタッフは球場内を巡回へ。試合中も観客席をいくつかのゾーンに分けて、熱中症になっている人はいないか、球場内でケガしている人はいないかを、見て回ります。

スタッフは「暑い日で、熱中症が予想される日には増員しています。席に座って野球を見ているときには、自分が熱中症になっていることに気づかないことがあって、立ち上がろうとしたときに倒れることがありますから」と話していました。

財政破たんしたデトロイト市では、救急車や消防車が現場に到着するために数十分の時間がかかることがニュースになりました。しかし、ここでは病院と提携している救急医療サービスの救急車を利用しています。

しかも、2台の救急車が球場に横づけ。1台はグラウンドレベル、もう1台は観客席の出入り口付近の道路につけてあります。

これ、少し見難いのですが、グラウンドのすぐ後ろにある救急車です。

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グラウンド内で選手が倒れるなどの事故が発生した場合には、まず、チームのアスレチックトレーナーが駆けつけ、アスレチックトレーナーのサインによって、救急救命士さんが駆けつけるという順番になっています。

何か起これば、球場からわずか5分程度のところにある病院へ運ぶことになっています。

タイガースのアスレチックトレーナーさんによると、「他の球団もほぼ似たような対策になっているのではいか」とのこと。

今年の開幕直後に阪神の西岡選手がボールを追って福留選手と衝突。救急車で搬送されたことがありました。救急車が中に入ってくるまで少し時間がかかったようです。(私はテレビ中継も見ていませんので、何とも言えませんが)

デトロイトタイガースでは、救急車がすぐに入ってくるようにはなっています。

さすが、メジャー。で締めくくりたいのですが、ひとつだけ補足です。

キャンプ地では少し様子が異なるようです。キャンプ地でシンシナティレッズのチャップマン投手が顔面に打球を受け、骨折した試合を見ていた人にお話しを聞いたところ、救急車が入ってくるまで少し時間がかかっていたようです。