谷口輝世子Kiyoko Taniguchi

米国在住のライター。日本ではスポーツ紙の記者をしていました。スポーツ取材が中心です。

学校運動部と選手以外の生徒

8月から「学生マネジャー」「女子マネジャー」というキーワードでじわじわ調べものをしておりました。「学校運動部」や「外部指導者」についても、私の身近な米国事情をレポートしてきました。

今日はその組み合わせとして「学校運動部」と「選手以外の生徒」ということで、レポートしたいと思います。

インターネット上で運動部規則を公開している学校がいくつもありました。学校運動部規則に『「マネジャー」「チアリーダー」にもこの規則を適用する』などと書いているものがありました。公式に「マネジャー」や「チアリーダー」の存在を認め、運動部活動に参加している選手と同等に扱っているのだと思います。

一部の学校ですが、「記録・統計係」「ビデオグラファー」という肩書の生徒がいることも分かりました。実際にどういった仕事をしているのかは、聞いたわけではないので分かりませんが。

トップスポーツ、プロスポーツの世界ではチーム内の記録者やビデオ担当者はなくてはならないものになっています。

スポーツファンの方にはおなじみだと思いますが、野球では「セイバーメトリクス」といってプレーを数値化し、それによって選手を評価する方法があります。打率、打点、本塁打、勝敗や防御率だけでは計測できないところを数値化。アスレチックスでは、イメージやスカウトの経験に頼らず、これを応用してチーム編成して成功。「マネーボール」という映画にもなっています。

また、多くのスポーツでも選手個人が映像で自分のプレーを確認する以外にも、ビデオ撮影した映像をもとにフォーメーションプレーを考え、練習しています。プロスポーツなら対戦相手のビデオを事前によく見て、研究することはもはや当たり前のことでしょう。

サッカーではコンピューターを駆使して、試合中のボールの動きを全て記録し、試合終了後に瞬時にしてボールと選手の動きを分析することも可能です。

現在の高校生たちが、自分もこういうことをやってみたいと感じるのは当たり前のことのように思います。

記録係で数学が好きな生徒なら、数学の先生の助けも得て、プレーの数値化し、統計としてまとめてみることもできる。

ビデオ係りなら、選手たちがあとで見ることを想定して、分かりやすく撮影する工夫も学ぶことができる。

コンピューターの好きな生徒なら、ホームページを作って試合結果をウェブ上に掲載したり、さらに進んで試合そのものをコンピューターを使って分析していくこともできるかもしれません。学校内にコンピューターのプログラミングの先生がいれば指導を受けることもできるし、地域の短大の先生からも教えてもらえるかもしれません。

勉強する場である学校でスポーツをすること。学校生活がスポーツに偏り過ぎることは米国でも問題になっています。

ただし、クラブチームではなく、学校の運動部だからこそ、同じ学校に通う生徒がいろいろな形で運動部活動に関わることができるというメリットはあると感じます。

大人の側が、選手以外で運動部活動に携わる生徒を決して「オマケ」と考えないこと。

チーム内で「オマケ」ではない役割を選手でない生徒が担当できるよう考えること。

性別によってその役割を固定されないこと。

そんなことを考えました。

日本の「女子マネ」についても、彼女たちが大人から啓蒙されるべき存在とされるのはなぜなのか。

性別によって固定されたり、いろいろなことへの参加を制限されることなく、選手と同等の運動部員であるためには、どういった仕事をしてもらえばいいのか。

プロスポーツの用具係への周囲からリスペクトされている。学校運動部で用具の管理もしている「女子マネ」が大人からもリスペクトされるにはどういう変化が必要なのか。

そんなことも考えました。