ダブルロースター 子どものスポーツより

 ダブルロースター(子どものスポーツより)
  何日か前に、練習時間と試合時間をよりたくさん得たいとの気持ちから、同一種目のチームを掛け持ちしている子どもたちがいることについて書きました。

 小学生の年代では競技チームに入っても、毎日、毎日、練習があるわけではありません。競技チームといえども、週に3−4回の練習と週に1度程度の試合が一般的なようです。レクリエーションなら週1−2回程度でしょう。

 だから、2つ以上のチームに加入することは物理的に可能です。同一種目の掛け持ちはもちろん、多くの子どもたちが異種目で複数のスポーツチームに所属しています。運動能力の高い子どもはいくつもの種目やチームでスター選手になれるのです。

 週末になると2試合掛け持ちです。アイスホッケーの終了後にはサッカーの試合に行くため、ロッカルームでサッカーのユニホームに着替えたり、水泳の大会に行ってきたとのことで、髪の毛が半乾きで野球の試合に現れたりします。

 同一種目で掛け持ちも珍しくありません。2つの野球チームに入るとか、2つのサッカーチームに所属しています。

 やりたい子ども、できる子どもに、よりチャンスを与えるのが米国流。能力のある子どもと、あまり能力に恵まれていない子どもを平等に扱わないとという妙な気遣いはありません。出来る子をより伸ばすシステムがしっかりとしています。

 しかし、少し前に見た光景はちょっと不思議な感じがしました。賞賛、批判することが目的ではないので、種目や場所については伏せます。ちなみにうちの子どもの所属チームでもありません。

 小学生たちのある競技でとてもうまい選手が2−3人いました。「うまいなあ」と眺めて注目していたところ、その子たちはハーフタイムが終了すると保護者のところへ走っていき、彼らの保護者たちもなんだかとても急いでいるようでした。

 「どうしたのかな」と思って様子を見ていると隣街の別のユニホームに着替えて車に乗って移動していきました。

 ゲームというものは限られた時間、限られた空間で行われる非日常のものと私は理解していますが、この光景を見たときにその枠組みが崩れるような感覚がしました。

 異種目なら、そして試合終了後なら、私は何にも感じなかったかもしれません。これまでにも、掛け持ちのために遅れてきたり、試合終了後に急いで移動する姿はいつも目にしてきていますから。

 しかし、同一種目でチームを掛け持ちしているがために、ハーフタイムとはいえ、試合の途中に退場するのは、やはり「ゲームへのインボルブ」を崩す「二股行為」といえるのではないでしょうか。