生活者として

 先日、「世界それホント会議?」の収録に参加させていただきました。

 http://world-really.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/ust210-1e32.html

 (米国の肥満児に関するレポートをしました。後日、編集していただいたものが、動画になるので、そのときはまたお知らせさせていただきます)

 収録の最後に拙著をご紹介いただく時間を頂戴しました。ご担当者の方とプロデューサーの方からもご感想をいただきました。

 そのなかで私が最もうれしかったのは、プロデューサーの方から「生活の小さな状況からアメリカ社会を考えるきっかけになる本」と言っていただいたことです。

 私は大学を卒業して、スポーツ新聞で働いていました。選手たちを追いかけ、アメリカにやってきて、居座り、結婚までしてしまいました。

 その後、子ども2人を授かって、都市から都市へと選手を追いかけていく出張生活は少し難しいと感じるようになりました。

 実は出張中に見知らぬ町の球場で出血し、たったひとりで見知らぬ病院に運びこまれ、そのまま流産してしまったことがあり、なかなか、その時の怖さが忘れられませんでした。

 今も、最寄のデトロイトの試合には出かけていきますが、なかなかそれだけでは仕事になりません。

 仕事をしたい。

 焦りや迷いの中で、私は生活の中から見えるものを書こうと考えるようになりました。

 ニューヨークやワシントンDCの特派員の方も、米国の日常生活はご存知だろうし、私よりもはるかに記者としての力量は上だと思います。

 けれども、ニュースを追いかけて走り回る状況にない私の方が、こまごまとしたことに接している時間は長いはずだとも、自分で自分を懸命に励ましたりもしました。

 そして、子どもを産んでから長く疑問を持ち、日常生活の中でも困ったり、迷ったりしていた子どもの遊びに関して、調べ、書き始めることにしたのです。

 今もまだ、仕事に関する焦りや迷いはおさまっていませんが、

 これからもまた、生活者の視点で、単なる感想文に終始せず、読者のみなさんとともに考えていける記事を書いていけたらと思っています。