高校生とレクリエーションスポーツ

 何日か前に参考文献をもとにして、米国のスポーツ少年・少女の親が何を求めているのか、ということを書きました。http://kiyoko26.hatenablog.com/entry/2014/01/11/052019

 では、私自身は親として子どものスポーツに何を期待しているのか。

 社会に出て、仕事をするうえで、役立つからということはあまり考えていません。

 本人が望めばだけれども、高校でも何らかのスポーツをしてほしいとは思っています。我が子がプロ入りすることは夢にも想像したことはありません。アスレチックスカラシップをもらって強豪大学でプレーすることも現実的なこととして考えていません。

 このブログでも、多くの高校の集団スポーツでは、トライアウトがあることをたびたび書いてきました。このトライアウトに受からない限り、チームの一員にはなれません。

 今までサッカーをしたことのない初心者が、バスケットボールの初心者が、野球の初心者が、高校のチームに入ることは難しいのです。まわりは、幼稚園、小学生のときからクラブチームや地域のトラベルチームに入り、練習、試合経験を積んできています。米国では試合に出場できない補欠を大量に抱えることはしないため、「試合に出られなくてもいいから、チームの一員として練習だけでも」ということはふつうはないようです。

 私のこどもたちは、アイスホッケーと野球をしているので、このまま続けたら、高校のチームには入れるだろう、ということは少々期待しています。やるかどうかは子どもが自分で決めることですが。

 さて、ここから本題。えっらい長い前置きでスイマセン。

 高校でのスポーツを意識して、子どもにスポーツさせているのは私だけではないようです。こちらに『GAME ON』という本があります。 

  http://www.tomfarrey.com/farrey-synopsis.htm

 この第3章に3歳の息子にサッカーをさせている父親の話が出てきます。父親自身はアメリカンフットボールの盛んな高校に通っていたそうですが、未経験者で体が小さく、スピードもなかったため、出場時間が得られなかったそうです。そこで、息子が高校でスポーツできるようにというのが、サッカー教室に入れた動機のひとつになっていると。

 この章では高校トライアウトの問題だけでなく、トライアウトに受からなかった子どもたち、高校でスポーツ活動していない子どもたちが、ほとんど体を動かしていないことについても書かれています。この本で取り上げられた学校は、全校生徒3400人、全運動部員は500人程度。車社会のアメリカ。運動部員以外は体を動かす、運動する機会が少ないのです。

 米国には、幼児や小学生を対象にしたスポーツチームはたくさんあり、レクリエーションからハイレベルなトラベルチーム(競技チーム)まで、いろいろ選択肢もあります。しかし、高校生を対象にしたレクリエーションチームは少ないのだと。

 種目によっては高校生を対象にしたややレベルの高いクラブチームはあります。しかし、これは高校スポーツのチームに入れる程度の能力がある子ども、またはそれ以上の子どもたちがほとんどです。

 運動部以外の高校生にもレクリエーションスポーツの機会が必要ではないかと、考えているのはこの著者だけではありません。

 MOMSTEAMという、スポーツする子どもを持つ保護者向けのウェブサイトでもトライアウトに落ちた子どもたちの運動機会が少ないことが懸念されています。ここではトライアウトでカットするのではなく、二軍チームにはカットなしで希望者をチームに入れることも併せて訴えられています。

Getting Cut From A Sports Team | MomsTeam

 高校スポーツが運動能力に優れた生徒だけのものになると、他の生徒たちは、初心者も含めて、スポーツする機会が保障されていないことになります。高校のスポーツに必要な費用の多くは学校区の予算でまかなわれています。(そのことによる不公平って、今、思いつきましたが、あんまりそういう話や記事を目にしたことはありません。また、気をつけてみます)

 我が子が高校でスポーツしてくれたらなあと望んでいる私。矛盾しているけど、高校生にもレクリエーションとしてスポーツする機会があればとも望んでもいます。

 上の子どもが高校に入学するまであと2年半。私自身がどうして我が子が高校でスポーツすることを望んでいるのか、もし、レクリエーションチームが充実していたら、私の考えは変わっていたか。また、じわじわ考えていきたいと思います。今日は(今日も)歯切れが悪い終わり方ですが、まあ、今、考えているのはこんなとこです。

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