さきほど、ツイッターにもつぶやいたので重複しますが、少し読みやすいようにこちらにまとめてみます。
NBAセブンティシクサーズが、地元の高校生バスケットボール選手で、ダウン症の少年と2日間の選手契約を結びました。少年は地元高校のシニア(高3)。これまでなかなか試合に出場する機会はなかったようですが、最後の2試合で3ポイントシュートを決めるなどの活躍をし、これが地元で報道されました。
セブンティシクサーズはこの少年と2日間の選手契約を結んだというものです。
最近では、メジャーリーグが引退試合のために1日契約を結ぶことがトレンドになっていますが、今回はダウン症の高校生選手と契約したという話題です。
76ers Sign Kevin Grow to a 2 Day Contract | Down ...
障害を持ちながら、高校生選手としてプレーするのは、もちろん簡単なことではないと思います。
まず、トライアウトにパスできない可能性があります。また、チームの一員となってもあまり出場機会が得られないことも考えられます。
2年前の話ですが、ミシガン州ではダウン症の高校生でバスケットボールとフットボール部でプレーしていた選手と保護者が「プレーする権利」を求めて闘ったことがあります。
彼は障害のため、小学生のときに留年しており、そのため、高校3年生のときには19歳になっていました。
ミシガン州の高校運動協会では、新年度の9月時点で19歳になっている選手は公式戦に出場できない規則を設けています。
米国では保護者の判断で就学を遅らせることが多く(私の周囲でも多数。日本の早生まれにあたる月齢が若い子どもたちは遅らせている人のほうが多数派だと感じるほどです)、また、留年することもあります。
中高生で1年分、体の成長が違えば、当然、スポーツ活動では大きな差につながることにもなります。そうです。就学を遅らせていれば、中高のスポーツでも有利に立つことができます。州の運動協会では、スポーツで有利な状況を得たいために、あえて就学を遅らせたり、留年することを避ける意味から、年齢制限を設けているのです。
しかし、先に述べたダウン症の高校生の場合は、障害のために留年しており、スポーツで有利に立つために留年したわけではありません。州の運動協会では例外を認めることは非常に難しかったようで、何度も、この高校生の保護者側からの訴えを却下しています。
しかし、この高校生と保護者はあきらめず、学校に訴え、SNSを利用し、メディアでも訴えて、多くの署名を集めたことから、大きな動きとなりました。
最終的には、例外的に規則を適用しない、つまりプレーすることを認められました。
日本も米国も、学校とスポーツが結びついています。学校で留年することは、そのままスポーツをする権利も失い可能性もある。以前、橋下市長は「留年させてでも学力をつける」という発言をしていたようですが、学校とスポーツが切り離せない状態のまま、留年するということは、スポーツする権利にも関係してくるのです。