これまでに私がユースコーチにかかわる親として(少しですが、ボランティアとしてのお世話係もしています)、実際に経験していること、また、一般のコーチを対象にしたコーチ講習などから学んだこと、調べたことを書いてみたいとおもいます。
コーチは選手の技術向上の助けや、戦術を考え、チーム編成を考えなど、各スポーツ種目ごとに実際の指導を行います。
しかし、種目にかかわらずユーススポーツのコーチがシーズンが始まる前に踏む手順というものがあります。
①ボランティアであれ、有給であれ、コーチをしたい人はユーススポーツの運営組織に申し込む。運営組織には委員会や、それに似た役割を果たす部署があり、ここでコーチの経歴、犯罪歴が確認され、面接等を経て、採用が決まる。
②コーチはユーススポーツの運営組織が作成しているコーチ倫理規定をよく読む。
各ユーススポーツ団体ではさらに上の層にあたる組織、アイスホッケーでしたらUSAアイスホッケーが作成しているコーチ倫理規定をひな形に。リトルリーグの場合はリトルリーグが作っているコーチ倫理規定から作成されています。
③②とどちらが先に行われるかは、運営組織によって違うかもしれませんが、コーチ講習を受けます。これも各組織が提供しているものと、さらに上の層の組織が提供しているものがあります。私が関わったところではコーチ講習を受講しないとコーチができません。
民間の非営利団体による運営組織では、コーチ講習の受講者に対して、ライセンスを発行していないところもあります。しかし、コーチ講習を義務付けるということは、実質的にはコーチのライセンス制に相当すると思います。
④参加者の保護者と会合を持つ。
ユーススポーツでは、保護者との関係を築くのがとても重要であるとされています。
このシーズン前の会合では
チームが今シーズン、どこに目標を置いているのかを保護者に対して明らかにします。勝利重視か、基礎力向上重視か。
保護者から苦情が出やすい選手の出場機会、出場時間、ポジションについても、です。 チーム内の全選手に等しく出場機会を与えるのか、優れている選手により出場機会を与える方針なのか、ポジションは固定するのか、より多くのポジションを経験させるのか。
また、コーチへの相談方法はメールがよいのか、直接、話し合うのがよいのか。コーチ以外の保護者はどのような方法で運営を支援すればよいのかなどです。
24時間ルールというのを設けているところもあります。これは苦情や質問は試合後24時間を経過してからコーチに連絡するというものです。試合直後はコーチ、保護者、選手が興奮状態になっていることが多いため、時間を置いてから感情的でなく、落ち着いて話し合うためです。
⑤コーチ、保護者、参加者(子ども)がチームの方針に合意して、シーズンに備える。
事前に知らされて、合意しているコーチの倫理規定、保護者や参加者が守るべき規則に反する行為があったときには、①で述べたコーチ採用を担当する委員会などが調査します。規則違反であると分かったときは、コーチは辞めることになります。保護者に対しては退場、もしくは一時的な出入り禁止(私は見たことはありません)、選手に対しては出場停止処分、もしくは除名処分が科されます。
ですから、最初にどのような規則を作り、この3者が規則を守ることに合意するかどうかが重要になってきます。
米国は広いですし、ユーススポーツの種目、レベルによっても運営組織によっていろいろ違うかと思います。また、何かありましたら、教えてください。