米国のユーススポーツ人口が減っている。

 1月31日のウォルストリートジャーナル紙に、米国のユーススポーツ人口が減っているという記事が掲載されています。http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303519404579350892629229918

 ユーススポーツ各種目の競技人口調査は、SFIA/Physical Activity Counsilによるもので、対象は6歳ー18歳までの子ども、学校がスポンサーとなっているスポーツ(日本の部活動にあたる)とその他のユースリーグを含むとなっています。

 競技人口は2008年と2012年を比べたもの (もとの記事にグラフが載っているので、そちらが見やすいと思います)

 タックルフットボール 2008年 326万人 2012年 308万人 

            5.4% 減

 

 サッカー       2008年 711万人 2012年 661万人

            7.1%減

 

 野球         2008年 604万人 2012年 561万人

            7.2%減

 

 バスケットボール   2008年 759万人 2012年 695万人

            8.3%減

 

 このように米国で人気のあるスポーツは軒並み減少

 

 増えている種目は

 アイスホッケー    2008年 33万人  2012年 55万人 64%増

 ラクロス       2008年 30万人  2012年 77万人 

            158.1%増

 

 最近1年間にチームや団体に入ってスポーツしなかった、と答えている割合も2008年から2012年にかけて少し増えてます。

 この現象の理由については、いろいろな立場の人がいろいろな見方をしていることが記事のなかで紹介されています。

 オハイオ州高校バスケットボールコーチ協会の人 エリート選手でない選手が減っている。これまで試合出場時間は少なくても、練習熱心でチームの一員であることを誇りに思う選手がいた。

 カンザスシティにある高校のアスレチックディレクター 子どもたちは家にいて、ビデオゲームをするのを好む。 

 National Youth Sports Health &Safety Instituteのディレクター

 エリート選手を育てるために一種目に絞り、オーバーワーク、オーバーユースの状態にある。子どもたちがスポーツから離れていく原因になる。

 フットボール 脳震盪が注目されるようになり、コンタクトスポーツを避けたい保護者が増えている。

 サッカー   女子サッカーの活躍などにより1990年には競技人口200万人だったのか、2007年までに400万人に増えた。しかし、急激に競技人口が増えるというサッカーブームはいつまでも続かないものだ。

 アイスホッケーは増えているのですが、もともと母数が少ないと書かれています。

 ラクロスについては、フットボールと似たスキルを必要とするが、フットボールよりもコンタクトが少ないため、フットボールをやらない人たちが、ラクロスにまわっているのではないかという見立てです。

 私は、エリートでない選手が参加しなくなったことと、エリート選手を目指して一種目に絞ることはリンクしているだろうなと思っています。

 幼稚園児からスポーツをし始めると、小学校低学年のうちに、やっている子どもと未経験の子どもでは差がつきます。小学生の子どもが「そろそろやってみたいな」と感じたときには、他の仲間から大きく出遅れることになります。もちろん、いろいろなところにレクリエーションチームはあり、ここでプレーすることはできます。しかし、高校の部活動に入ろうと思うと、かなり引き離されていることも。

 それともうひとつは費用の問題。2008年はリーマンショックがあった年です。

 私が2011年に近所の高校のアスレチックディレクターと話したときには、「ここのところ少し参加者が減っている。費用の問題ではないか」との回答でした。

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