性別とロッカールーム使用

 先日、朝日web ronzaに、トランスジェンダーの子どもと、学校生活、スポーツ活動についての記事を書きました。

学校のトイレ、ロッカールーム、体育・・・アメリカのトランスジェンダーの子どもたち - Global Press - 朝日新聞社(WEBRONZA)

 今年1月にカリフォルニア州トランスジェンダーの児童・生徒が、解剖学的な性ではなく、自分自身が認識する性において、学校生活やスポーツ活動へ参加する権利を保障する法律が成立しました。

 学校生活ではトイレの使用、スポーツ活動ではロッカールームの使用、また、男女別の活動でも、自分自身が認める性で参加できることになります。

 トランスジェンダーから少し離れますが、では、ユーススポーツの場で男女混合でチームが形成されている場合は、どのように個人のプライバシー権が保障されているのか。その一例を紹介したいと思います。

 野球の場合ですが、小学生たちが利用する、私の近所の野球場にはロッカールームがありません。更衣スペースがありませんので、選手たちは家から野球のユニホームや練習着を来て、グラウンドにやってきます。

 アイスホッケーの場合は、防具が多く、スケートを履くスペースも必要なので、年齢が低くてもロッカールームに入ります。アイスリンク場に入るとロッカールームの割り当てが掲示されています。チーム単位でロッカールームを使用します。

 USAアイスホッケーのガイドには、ロッカールーム使用に関するジェンダー平等ポリシーについてかかれています。

 男子選手、女子選手は可能な限り、別のロッカールームで衣服、防具の着脱をすること。(これはロッカールームの数に限りがあるため、可能な限りになっています)

 試合前のミーティングは別々の場所で防具をつけたあと、ひとつのロッカールームに集まりチームミーティングをする。(試合前、試合後はロッカーでチームミーティングをするのがふつう)

 ロッカルームの数が十分にないときは、まず、どちらかの性の選手が先にロッカールームに入り、着替える。着替えたら、その選手たちはロッカールームから完全に退室。着替えてない性別の選手がロッカールームに入り、着替えを行うとなっています。

 うちの子どもの対戦相手チームで、女子選手が1人入っているチームというのが、結構あります。あるチームでは、ホームゲームの場合は、女子選手が着替えるスペースが決まっていて、そこのドアには、チームのロゴと使用中の目印がかかっておりました。

 また、ものすごく施設の大きいところではシャワー室で着替えている例。フィギュアスケート女子選手の更衣スペースを利用している例がありました。

 全然、話は変わりますが、米国では体罰(ここでは選手の体をたたくなどの指導の意味で)よりも、指導者やチーム内での性的虐待の問題がクローズアップされている印象があります。(日本では表に出てこないだけ、というのもチラと聞きましたがどうでしょうか)

 このUSAアイスホッケーによると、ロッカールームでは、着替えをしている選手と同性の2人のコーチが付き添うことと書かれています。密室で起きる虐待、いじめを防ぐためです。(私の見た限りですが、厳密に2人のコーチが付き添っているチームはそれほど多くない印象です)

 最後のほうに、プライバシー権を深刻に犯した場合は、法廷に訴えられる可能性があるとも書かれています。

 トランスジェンダーの子どもたちが、自分の認める性別で学校生活を送り、スポーツ活動する権利を保障することは重要だと私は考えています。一方で、ロッカールームの使用で、実際にどう対応していくかは難しいことだとも思います。しばらくは、それぞれの現場で、ひとりひとりのスポーツする権利が保障されるように動いていくしかないのかもしれません。

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