3月の最初の土曜日、デトロイトタイガースでは午前10時から今シーズンの入場券販売を開始しました。
10時の時点で、球場の窓口には700-800人の人が列を作っていました。(球団職員の人による)
実はオンラインでも午前10時からチケット販売を開始していたとのこと。
この日の気温はマイナス10度。ここに並んだ人は、なぜ、オンラインではなく、寒いなか、チケットを購入するために、列を作って窓口で買い求めたのか。
何人かの人に話を聞くと、「自分はファンなので、寒さは全く大丈夫」という人。
「オンラインは、タイミングの問題があって、買いづらいことがある。ここで並ぶほうが確実」という人。
ファンの儀式として入場券販売の列に加わった人や、オンラインで購入するときに混み合っていて、買い損ねることを懸念した人がいたようです。
ちょっと話が変わりますが、オンラインでチケットを購入した場合、電子チケットをプリントアウトして入口でバーコードを読み取ってもらったり、モバイル端末のスクリーンにバーコードを表示し、これを読み取ってもらったりします。
チケットが完全にオンライン化した場合、これまで記念の品物の定番であったチケット半券は消滅していくことになります。
チケットには日付、対戦相手、自分の座席が示されています。
これに変わる記念の品物は何なのか。
スコアカード。球場で販売されているものですが、日付と対戦相手を入れることはできます。ただ、どこに座ったかは、自分で書き込むしかありません。(でも、スコアをつけることそのものが電子化されていて、手書きでスコアを書くというのも少なくなってくると思います)
パンフレット。これもスコアカードに似た意味合いですね。
球場などには、過去の第試合は新聞記事などを額に入れて飾ってある場合があります。
これも、紙の新聞記事がなくなり、電子版になった場合には、どのようにするのでしょうか。スクリーンを額にして、ここに電子版を表示することになるのでしょうか。
しかし、電子版は一面トップのニュースであったかどうか、という他のニュースとの位置関係は問われませんので、これもニュースとしての重要度を示すには弱いです。
それとも、自分がその座席に座っていたことをモバイル端末を通じて、記録できるものなどが出てくるのか。「今季は何試合を観戦して、何勝何敗でした。逆転勝利1回、完封負け2回。あなたが観戦したときの、あなたの好きな選手の打率は〇〇」とかをグラフ化してくれるとか?しかも、「クラウド上に永久に保存されます」というようなもの?
スポーツはメモラビリア、骨董品収集の好きな人が多いのです。一大ビジネスにもなっています。選手の使用したユニホームなどはこれからもより価値を高めていくことと思います。しかし、電子化の時代に、これまで個人が簡単にとっておくことができた記念品はどうなっていくのか。スポーツビジネスのマーケティングとして、何か戦略があるのか、また、取材してみたいと思います。