アメリカの高校スポーツにも女子マネジャーはいる。メイド?

 

今朝、ツイッターを見ていたら、高校野球の女子マネジャーが話題になっていた。

甲子園出場校の女子マネジャーが選手のために、これまで2万個のおにぎりを作ってきたと。そのおにぎりづくりのためにあえて学力の高い生徒のためのコースに入らなかったとか。

それが美談のように記事になっていたことから、

伝統的な男性に尽くす女性、内助の功のようなものが、高校生の美しい話として捉えられているのはよくないんじゃないか。というのが話題の中心のようだった。

成績がよいのに、学力の高いコースに入らなかったのは、もったいないんじゃないかとか。

私は高校野球には美談がつきものというアキラメもあるので、この記事に関しては性役割がどうのというのもアキラメて、あんまり気にならず。

成績がよいのに…というのは、本人が決めることなので、それを外からいうことはおかしいと思う。(あたしは職人の娘なので、成績が悪いから下請けでモノ作ってる と言われるのは抵抗がある)

さて、ここからが本題。男性を支える女性という性役割と女子マネジャー問題は日本特有のことかと思いきや、実はそうでもなさそうなので、ちょっと書いておきます。

アメリカでも高校スポーツが盛んです。

私が子どもの送迎でよく通っているアイスリンクには、このリンクを本拠地とする3つの高校のロースター(選手名簿)と写真が飾ってあります。高校のロースター写真の最後にはさらさらロングヘアーで、とってもかわいらしい女子高校生2人の写真もあります。

彼女たちは選手ではありません。マネジャーなのです。ただし、「女子マネ」ではなくて「Student Managers」となっています。今、現在、アメリカにも女子マネがいることは私は知っていますが、スチューデント・マネジャーが具体的にどんな役割を果たしているのかは知りません。(アイスホッケーのシーズンが始まったら、聞きますね)

本来のスポーツチームのマネジャーの仕事は、渉外を含むマネジメントだと思います。練習日程や試合日程の調整、会場の確保など。(日本だと学連がやっているのかな。私の大学時代はこれは学連の仕事だった)

例えば、高校生のスチューデント・マネジャーが、将来、プロのスポーツチームのマネジメントをしたいという夢があって、そのために高校のスポーツ活動で、スチューデント・マネジャーをやっています、というのはわりと自然なことだと思います。だから、「女子だからといって男子チームのマネジャーやってはいけません」ということになると、これこそ性差別になってしまいます。「女だからといって男子チームのマネジメントを経験できないのはおかしい」ということになります。

別のアイスリンクでは、スチューデント・マネジャーのところに男子生徒の顔写真がありましたし。

アメリカでは女子マネじゃなくて、スチューデント・マネジャーという肩書なんだと思いながら、いろいろググっていると、衝撃的な記事を見つけてしまいました。

ニュージャージー州のある高校のアメリカンフットボール部で活躍する女子マネジャーの記事。彼女らは練習前に、選手たちが必要な水のボトルやヘルメットを修理するキットやバンドエイドを運んだり、設置したりするとのこと。へえ、マネジメントじゃなくて、「女子マネ」に近い仕事なんだ。これ、メジャーリーグだとバットボーイさんがやっている仕事だわ。もしくは用具担当さんとかも。

そして、まあ、何に衝撃を受けたかというと見出しでございます。

Maids among Men でございます。記事はここクリックしてくださいね。

http://www.nj.com/washington-township-times/index.ssf/2011/10/maids_among_men_football_manag.html

この記事にはコメントが全くついていないので、読者の人がどういう反応されてるのかは分かりませんが。

やっぱり日本と同じように高校生の女子に男子を支えるような仕事をさせるのはよくないという反応があるんでしょうか。

何でもかんでも「日本はおかしい」「日本はダメ」としてしまうことを、おかしいと思っている私ですが、ここまで日米でよく似た女子マネ事情があるということにとっても驚いたところです。

追記1米国でも伝統的なマネジャーの仕事は、用具管理、水分補給補助、洗濯だったようです。ですから、高校のスチューデント・マネジャーはマネジメントをしているとは限りません。

追記2 米国の大学運動部のマネジャーはどうなっているのかを調べました。ものすごく細かくマネジャーの職務とできること、できないことを決めています。この記事をご参考にしていただけるとうれしいです。

追記3 タイトルⅨによって、プレーする権利を勝ち取った例

スポーツと女子マネ問題の3 米大学運動部とマネジャー問題 - 『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』 (谷口輝世子・生活書院)

米国高校野球 女子選手、タイトルⅨでプレーする権利を勝ち取った例. 女子マネ関連4 - 『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』 (谷口輝世子・生活書院)