アメリカンフットボールのNFLが、子ども向けのオンライン教育ゲーム会社と提携したようです。ウォルストリートジャーナルの記事
How The NFL Is Marketing Itself To Children - CMO Today - WSJ
何を教育するかというと、主に算数・数学だそうです。
NFLとパートナーシップを結んだのは↓こちらのJump Startという会社。クラスルーム向けのゲームもあると書いてありますから、子どもが家庭でゲームをするだけでなく、学校の教室でも使えるようにしてあるということかと思います。
Fun Games for Kids | Free 3D Games Online | JumpStart
どういうゲームかは明らかになっていないのですが「ファンタジーフットボール」の子ども向けのようなものとされています。
「ファンタジーフットボール」というのは、現実の選手をドラフトし、架空のチームを作って勝敗などを楽しむものなのですが、その勝敗などの決定要因となるのが、現実選手の成績なのです。そうなると、選手の能力を測る数字の意味を知る必要があります。ですから、算数のカリキュラムに合うように作ることもできるわけです。
NFLが教育分野への進出を試みているのは、アメリカの子どもたちの算数が今イチなのを懸念して、というわけでもないようです。ウォルストリートジャーナルの記事にもあるようにマーティングと捉えられています。
子どものときから、特定のメーカー、店、レストラン、チーム、スポーツなどのファンになってもらうことは、マーケティング上とても重要なことだと、ビジネスに疎い私でもよく聞きます。高齢者に新にファンになってもらっても、一般的には亡くなってしまうまでの時間が短いのです。子どもなら、うまくいけば、60年、70年もの間、ファンとして消費してくれることが期待できますから。
NFLはここ数年、脳震盪の問題で、深刻なケガを避けたい保護者が、子どもがアメリカンフットボールを始めることを許すかどうか悩むといった状況にありました。競技人口やファンを増やしていくにあたって、子どもたちへのアプローチが苦しい状況でしかたら、そういった面からも教育ゲームへの進出策を練ったのかもしれません。
ただ、スポーツを題材にして算数の勉強をすることは昔からあるようです。
これは、先日、慈善団体運営のリサイクルショップで見つけた古本です。1975年出版。使われている写真はNHLではジョー・ネイマス!。メジャーリーグではレジー・ジャクソン!
内容はアメリカンフットボールでは、獲得ヤードやパス平均獲得ヤードなど。メジャーリーグからは個人の打率や、チーム打率の求め方、NBAではチェンバレンの1試合平均ポイントを求めたりしています。
「平均」や「割合」を使うものが多いので、小学生の中・高学年の算数の知識で楽しめる内容でした。
アメリカにはもともと数字で選手やチームの力を測るという楽しみ方をしている人がいますよね。「マネーボール」という本は、統計学を重視してチーム編成を成功させたアスレチックスを描いたものですしね。