メジャーリーグの各球団では多くの女性職員が働いています。
フロントと呼ばれる仕事だけでなく、グラウンドレベルでも女性が働いています。
私がいつも取材しているデトロイトタイガースでは、広報2人が女性、グラウンドキーパー部長が女性、グラウンドキーパーのスタッフにも女性がいます。また、インターンのアスレチックトレーナーも女性です。
しかし、選手が着替えをするクラブハウスの管理をするクラブハウスマネジャーとそのスタッフは全て男性です。
ただし、このクラブハウスは女性の入室を完全に禁じているわけではありません。
クラブハウスは試合開始前と試合終了後の決められた時間は、メディアに開放されて取材時間となります。
メディアには女性もたくさんいますので、このメディア解放時間にはクラブハウス内に女性も入っています。また、球団の広報もメディアと選手の対応をしていますので、性別にかかわらず広報もクラブハウス内に入っています。決められた時間内で仕事としてクラブハウスに入っていますから、性別によって、入室を拒否されることはありません。お互いに仕事としてやっています。
(ただ、女性のメディアが男性スポーツのロッカールームの取材をすることは最初からスムーズにいったわけではないようです。私が初めてメジャーリーグの取材をした1996年には女性もロッカールームで取材できるようにはなっていました。1998年に、マイナーのルーキーリーグで取材をしようとしたときは「たとえ記者でも女性はクラブハウスには入ることができない」と言われました。女性ジャーナリストが男性プロスポーツを取材することを描いた映画もあります。⇒Let Them Wear Towels (2013) - News)
女人禁制ではないのですが、クラブハウス内が職場となるクラブハウス担当や用具係りは男性ばかり。なぜか。
タイガースのクラブハウスと用具管理のマネジャーに質問しました。メジャーリーグに女性のクラブハウスマネジャーはいるのか? なぜ、男性ばかりなのか。
女性のクラブハウスマネジャーはいないそうです。恐らく過去にも女性のクラブハウスマネジャーはいないだろうということでした。
理由は、やはり選手が着替えをする場所なので、選手と違う性別である女性が担当することは難しいということ。
タイガースのクラブハウスマネジャーは、自分がアシスタントを雇うことになったとしても、女性を自分のアシスタントとして雇うことはしないだろう、という話でした。
タイガースのアスレチックトレーナー室はクラブハウスの隣にありますが、女性のアスレチックトレーナーは選手が着替えているクラブハウスには入ってこないようです。クラブハウスからグラウンドへつながる通路は使用せず、別の通路からグラウンドに入っているそうです。
例えば、選手の家族。メジャーリーグの球場では選手の息子さんたちが、いっしょに練習しているのを見かけることが多いです。選手の息子さんたちもお父さんといっしょにクラブハウスで着替えています。ただし、私は娘さんがクラブハウスに入ってきているのは一度も見たことがありません。
米国の学生スポーツでは、「スチューデント・マネジャー」というマネージャーがいるのですが、ひとつのチームに男子と女子のスチューデント・マネジャーがいる場合は、性別によって、仕事を分担しているということも聞きました。
選手の性と同じ性のマネジャーがクラブハウスやロッカールーム内での仕事があればそれを行う。別の性のマネジャーは違う仕事を担当する、というような話です。
また、これは次回にレポートしたいと思います。
日本の学校運動部で、選手と違う性別の人がマネジャーをする場合、部室の管理などはどうしているんでしょうか。ご存知の人がいらっしゃいましたら教えていただけるとうれしいです。