新型コロナウイルスの感染を防ぎながら、自主練習、運動部活動はどこまでできるか。米国疾病予防管理センターより。
日本政府は7日に、東京など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令した。その後も愛知県や石川県などが独自に緊急事態宣言を出している。緊急事態宣言下で、外出をすることは避けなければいけないが、散歩や屋外で体を動かすことは良いとされている。
屋外で体を動かしてもよいといっても、どのようなことならばよいのだろうか。米国疾病予防管理センターが公園、広場の使用やレクリエーションの観点から、一般向けに情報をまとめている。子どもの外遊び、スポーツの自主練習、仲間との練習はどこまでならよいのかの参考になるだろう。
リンクはこちらです。下に私が書いた記事は、このリンクに書かれている順番とは違います。簡単な英語で書かれていますので、英語で読んだほうが早い人はそうしてください。
(米国疾病予防管理センターのホームページでは、ParkとPlay groundという単語が使われている。Parkの日本語訳では公園だが、オープンスペースでスポーツをしたり、歩いたりできる広場をイメージし、Play groundは遊具などが置いてある公園、または公園内で遊具の置いてあるエリアをイメージして、翻訳した)
以下に米国疾病予防管理センターのホームページにまとめられている情報をまとめた。
組織的なスポーツや活動には参加しない。
「一般的に、バスケットボール、野球、サッカー、アメリカンフットボールなど、公園や広場のフィールド、オープンエリア、コートで行われるほとんどの組織的な活動は推奨されていません。これらの活動やスポーツは一般的に同じ世帯ではない、コーチや選手がすぐそばにいる必要があり、COVID-19にさらされる可能性が高くなります」
すでに同じ屋根の下で暮らしている家族ならばしかたがないが、これらのスポーツ活動は、チームメート、対戦相手、コーチらと常に社会的距離を保つことが難しいということだろう。
広場やリクリエーション施設に訪れるときには、何に気をつければよいのか。
やってはいけないこと。
・病気や最近COVID-19に感染した人は公園や広場に行ってはいけません。
・混雑している広場には行ってはいけません。
・遊具のある遊び場(Playground)は使わないようにしましょう。
・水のある遊び場、スパを使わないようにしましょう
・組織的活動やスポーツには参加してはいけません。
少なくとも常に他の人と2メートルの距離を保つことができないほど混雑している広場に行ってはいけません。
遊具のある公園は、混雑していることが多く、推奨されているガイダンスを簡単に超えてしまう可能性があります。表面を清潔にし、消毒することは困難になりうる可能性があります。
幼い子どもが汚染された遊具に触れ、手、目、鼻、口を触るとウイルスがばらまかれる可能性があります。
すべきこと。
自宅から近くの公園や広場に行きましょう。
公園や広場を訪れるために長距離の移動をすることはCOVID-19の拡散に寄与する可能性があります。
出かける前に準備をしましょう。
広場や公園、その他のリクリエーション施設をオープンするかどうかは、州や地方自治体が決定します。事前に広場や公園に、トイレや売店などは開いているかを確認し、必要なものを持参しましょう。
少なくとも他の人から6フィート(約2メートル)以上離れる(「社会的距離」)ことと、COVID-19を防ぐための対策をしましょう
公園、広場、ビーチ、レクリエーション施設が一般に開放されている場合は、社会的距離を保ち、頻繁に手を洗い、せきやくしゃみをするときにカバーしたりなどの日常的な行動をしていれば、訪れてもかまいません。
公園、広場、ビーチ、レクリエーション施設を訪れる際には、以下に従って行動してください。
常に他の人から6フィート(約2メートル)以上、離れていてください。そうすることで、オープンエリア、小径をより使いやすくすることができるかもしれません。混雑した場所には入らないこと。世帯外の人との集まりを避けてください。
石鹸と水とで少なくとも20秒間、頻繁に手を洗うようにしましょう。特にトイレに行った後、食事の前、鼻をかんだあと、せきやくしゃみをした後など。
石鹸と水が使えない場合は、アルコール度数60%以上の手指消毒液を持参して使用しましょう。
スイミングプールやプールの周りでは安全に遊びましょう。自分と他の人との距離を確保しましょう。
COVID-19が水を介して人間に感染するというエビデンスはありません。プールの適切な運営、メンテナンス、消毒(塩素や臭素を使用)をおこなえば、COVID-19は死滅するはずです。
しかし、条件はある。
病気、COVID-19の症状が出ていない場合は、COVID-19の感染を減らす対策を取っている限り、プールを使用しても安全です。他の人から6フィート(約2メートル)離れること。10人以上の集まりを避けること。
2メートル以上の距離を保つことのできないスイミングプールは利用を避けるということだ。
石鹸と水とで少なくとも20秒間、頻繁に手を洗うようにしましょう。特にトイレに行った後、食事の前、鼻をかんだあと、せきやくしゃみをした後など。
石鹸と水が使えない場合は、アルコール度数60%以上の手指消毒液を持参して使用しましょう。
しかし、次のような理由からホットタブと呼ばれるお湯の入った浴槽、温水ジャグジーのようなものは使用するべきではないとしている。
・混雑していることが多く、推奨されているガイダンスを簡単に超えてしまう可能性があります。
・表面を清潔に保ち、消毒することは困難な場合があります。
・人々が表面に触れたものを触った後、洗っていない手が目や鼻、口に触れたときにウイルスが広がる可能性があります。
これまでにも他の人と少なくとも2メートル以上あけること、手をよく洗うこと、せきやくしゃみで飛沫を飛ばさないようにすることなどは伝えられてきた。
米疾病予防管理センターの告知にしたがうと、チーム単位でのスポーツ活動は、他の人と距離をあけることが難しいという観点から、行うべきではないと言えるだろう。個人で場所を見つけ、トレーニングしなければいけない状況にあるだろうが、オンライン上であっても、チームやグループのつながりを失わず、うまく情報を共有できれば、と思う。
ここまで書いてきて、ここからは個人の感想ですが、やはり住環境による自主練習できる環境の格差は出てくると思います。家が広い、狭いだけでなく、家から行ける範囲にボールを使える場所はあるか(普段からないところが多いと思います)など。
報道によると、ニューヨーク市内はプレイグラウンド、いわゆる遊具のある公園が閉鎖されているそうです。混雑が予想され、2メートル以上の間隔をあけるのが難しいから、というのが大きな理由です。
外出禁止もこれだけ長くなり、公園にも行けないとなると、子どももストレスがたまるでしょうから、1日を4分割ぐらいして、地区ごととか、名前のアルファベット順(あいうえお順)とかに分けて、間隔をあけて遊べたらいいのになと思います。
追記 日本では、外でどのように活動すればよいのか、体を動かしてよいのか、指針がないとツイッターで教えてもらいました。個人は日本では三密を避けるという指針があるので、それに従って、自分で工夫すればよいと、私は考えています。しかし、ユーススポーツの運営者、管理者、自治体の公園局の管理者には医学的観点からの指針があるほうが仕事がしやすいと思います。