谷口輝世子Kiyoko Taniguchi

米国在住のライター。日本ではスポーツ紙の記者をしていました。スポーツ取材が中心です。

人々が人格を作る

 スポーツは人格形成に役立つのか
 
 昨日の原稿は削除しようかどうか迷いましたが、自分の考えもまだ迷っているのだし、ブログでもあるしと思って(まさかとお思いでしょうが、私、お金をいただいて原稿を書くという仕事もしているので)、そのままにしました。

 さて、スポーツは子どもの人格形成に役に立つのか。その続きを考えたいと思います。
 米国では、空き地とか広場で小学生の子どもたちの草野球や草サッカーをしている姿はほとんど、見られません。

 この現象は、私の家のまわりだけかと思っていましたが、2年ほど前にAP通信からも「子どもの草野球が消えた」という記事が配信されていましので、全米的な傾向だと思います。

 だいたい、小学生が近所の公園にのこのこ出かけていって遊ぶことができないのです。家の裏庭とか、家から見える範囲は別でしょうが、少し離れた場所で遊ぶには大人の付き添いが求められるのです。安全上の理由で。

 ですので、公園に草野球や草サッカーができる人数の小学生が学校帰りに口約束して集まってくるということはないのです。

 子どもが、ちょっとスポーツをしたいなと思えば組織されたチームに入る以外に方法はありません。

 米国でも、大人によって運営されている子どものスポーツチームについては一定の批判があって、子どもの創造力が育たず、指示待ちになることが指摘されています。

 しかし、もっと現実的に、大人が運営しているチームでプレーするなかでも、子どもが日常生活では体験できないことを味わえるようにすることを工夫するべきという動きがあります。

 米国のスポーツ心理学者が書いた「Whose game is it,anyway?」には、このように書かれています。

 私が翻訳

 組織だったスポーツは子どもに挑戦することに直面させる機会を与える。それは、子どもたちが、自分自身について、世界について重要なことを学ぶ助けになるものだ。

 競技・競争のなかの矛盾や、ピンチやチャンスの場面で感情をコントロールすることを経験できる機会があるとしています。

 ただし、ここでも著者は「スポーツは人格形成しないー人々が人格を作る」としています。

 家族やコーチがどのようにスポーツに関わっていけば、子どもがスポーツすることの恩恵を受けられるのかを、スポーツ心理学の視点で年齢別につづっています。

 様々な人間関係や経験が子どもを成長させるのであって、大人が運営するスポーツでも、うまくいけば、そういう効果が期待できるよ。ということですね。

 今日も書いてみれば、当たり前のことです。