スポーツと女子マネ問題の3 米大学運動部とマネジャー問題

日本の高校野球部における女子マネジャーの存在や役割について議論が出ているようです。

アメリカの学校運動部にも「スチューデント・マネジャー」という役割があります。そのため、男子チームに女子のマネジャーがいることもあります。

ただ、「マネジャー募集 女子に限る」という募集の方法はしていないと思われます。これは確認できていないのですが、性別を限定して募集をすることは法律違反であると訴えることができると思います。

大学のスポーツ部にも「スチューデント・マネジャー」という役割があります。2009年にNCAAで「スチューデント・マネジャー」の定義について明文化しようという動きがあったようです。役割や仕事の内容をはっきりさせないと具合の悪いことが起こっていたと考えられます。

NCAA News Archive - Proposal would clarify student manager duties

NCAAのD1は、プロスポーツに入るほどは難しくないでしょうが、フットボールやバスケットボールは実質的にはプロの育成役割を担っているため、入りたい人が多く、入れない人も多いです。子どものスポーツでも将来のゴールをD1入りに設定している保護者がいて、そのこだわりの凄さから「DIお父さん」という言葉もあるくらいです。

今の時点では、このリンクを読んだ限りの想像でしかありませんが、NCAAの「スチューデント・マネジャー」の役割があいまいになっていた時期があったと思われ、選手として登録していない、実質的には練習生でありながら「スチューデント・マネジャー」と名乗っていたのではと推測されます。ロースター枠には入れないが、練習生として抱えておいて、上級生が卒業した時点で、「スチューデント・マネジャー」を選手として登録することがあったのではないか、と。

もうひとつは「スチューデント・マネジャー」と名乗りながら、コーチ業に携わっていた人がいたのではないかと推測されます。さらに、選手のリクルートなどにも触れている文があるので、「スチューデント・マネジャー」の肩書でリクルートしていたことが問題になったことがあるのかもしれません。このあたりは全部、推測ですので、外れていたらスイマセン。誰かにちゃんと確認してくるようにします。

この定義を明らかにしようという動きのあとで、NCAAの「スチューデント・マネジャー」の定義に基づいて、各大学が「スチューデント・マネジャー」の役割、できること、できないことのガイドラインを設けています。

これはマイアミ大学野球部の規則です。(リンクをご覧ください)この規則を了解し、サインをすることで「スチューデント・マネジャー」になれるようです。

http://www.hurricanesports.com/pdf9/2539329.pdf?DB_OEM_ID=28700

「スチューデント・マネジャー」は選手を指導してはいけないこと。限られた練習には補助として参加できるが、例えば練習生と見なされる活動をしてはいけないことなどが挙げられています。

このマイアミ大野球部の、さらに2ページ目を見ますと、「スチューデント・マネジャー」が許可されている活動、許可されていない活動の一覧がズラッと書かれております。あまりに大量なので、スイマセンが私は全部を訳すことができません。

もしも、私がスチューデント・マネジャーの新入りだったら、ええっと、この活動は許可されているんだっけ、ダメなんだったけ、とこの紙を片手に、確認しながら作業しているかもしれません。

このマイアミ大学野球部だけでなく、ググると他の大学の「スチューデント・マネジャー」ができること、できないことが出てきます。

誰にでもはっきりわかる明文化!ってのがアメリカらしいと私は思います。

 ちなみに、マイアミ大学野球部のマネジャーは、試合前、試合後に食事の手配をすることは許可されております。Arrange for pre and/or post game meals

日本の高野連は女子選手の試合出場を認めていない。⇒ だから、野球をやりたい女子は選択肢がなくマネジャーになっている。しかも、伝統的な性役割を押し付けられている。という考え方があるとします。

全て仮定の話ですが、

もし、NCAAの強豪大学野球部で、ロースター枠や奨学金の支給の都合で、登録できる選手の数に制限がある。⇒ 他校に可能性のある選手を奪われるのは困るので、もしかしたら使えるようになるかもしれない選手を「スチューデント・マネジャー」という肩書で確保していた事例が過去にあったとしますと、

どちらも入部に関して、性か能力という大きな違いはあるものの、その理由によって入部を制限されていて、それでも参加したい人たちが「マネジャー」として参加していて、そのことが問題になっているのではないか。もし、そうであったら「マネジャー」という仕事の軽視にもつながっていることになる。