the administration and cost of high school interscholastic athletic
この本は1923年から1924年の間にアメリカの州の高校体育協会と学校運動部についての調査がまとめられています。
各州の高校体育協会・連盟が設立された背景
- 州の高校体育協会は、教育の目的や理想に反する、ある種の悪質でスポーツマンシップに反する行為をチェックするために組織されている。
- これらの協会のほとんどは、まだ発展途上の段階にあり、組織の形態も多様である。責任の分散を伴う会則の改正や、参加資格規定の強化、規制・管理する競技種目の増加、州選手権大会の実施方法の改善などの変更が頻繁に行われている。
- ミズーリ州、ネバダ州、テネシー州の3州は、学校対抗試合を管理・規制するための州組織を持たない州である。これらの州では、管理および規制はまだ地方またはセクション単位で行われているが、それぞれの州で学校関係者たちが州全体で組織化しようとする動きがあった。ネバダ州は、数年前にそのように組織されたが、そのような組織は機能しなくなった。
まだ完全に組織化されていない状態だった100年前のアメリカの学校運動部
当時、問題視されていたこと。
出場資格の問題
通学区域外の生徒が、運動部に入っている。出席日数の足りない生徒が運動部に入っている。学校を退学した生徒、停学処分になっている生徒が運動部に入っている。偽名を使って運動部に参加している人物がいる。
賞金・賞品
高額な賞品や賞金を高校生選手が受け取っていた。
主催者
州の大学が高校運動部のスポンサー(会場を提供、大会を主催など)しているケースが少なくなかった。大学から離れて、高校運動部として活動する
上記を読むと、競技で優位にたつために、替え玉選手や、他校の生徒が紛れ込んでいたり、退学や停学処分になっている生徒がプレーしていたことが推測できる。また、大会が見世物化し、学校外の民間企業スポンサーから高額な賞金や賞品が与えられていたことがわかる。
州の高校体育協会は、規則を整備し、競技の公平性を守ることを目的として設立されたといえる。替え玉選手や越境で入部している生徒をなくす。また、高校の運動部はアマチュアの活動であることを強調し、賞金・賞品等のやりとりを禁止することが目的だった。大学主催で複数の州が集まる大会が開催されたが、それぞれの州の高校体育協会の規則が違っているため、どの規則下で競技するかという点で混乱が発生している。
このレポートでは、設立されたばかりの州の高校体育協会・連盟の収支も公開されている。
これも州によって違いはあるが、加盟校からの参加費、州が主催する大会の入場料、ハンドブックの販売などを収入としている。ただし、このレポート作成者は、入場料収入は商業化につながるので、学区や学校の費用でカバーするべきだと提案している。また、州の高校体育協会・連盟は州の教育省とつながるべきだとしている。