子どもとスポーツ

『運動部活動の戦後と現在』を読んで、アメリカから現地レポート

『運動部活動の戦後と現在』(中澤篤史著・青弓社)を読んでいる。 実はまだ途中までしか読めていないのだけれども、中澤氏の日米英の部活動国際比較について、アメリカから現地レポートしてみようと思います。 この本の日米英の部活動国際比較部分について…

米国高校運動部創生期

今週はこちらの本を読んでいます。 米国高校運動部の成り立ちと、学校や大人がこれらをどのようにコントロールしようとしたかということが書かれています。 今日はまず、米国高校運動部がどのように生まれ、どのようなきっかけで学校側の管理下におかれるよ…

他国の課外スポーツ活動

大晦日の日に勢いでこんな本を買いました。(高いです、値段が) Global Perspectives on Physical Education and After-School Sport Programs 出版社/メーカー: University Press of America 発売日: 2013/09/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ…

アスレチックディレクターが顧問人事の要

米国の高校と大学にはアスレチックディレクターという管理職ポジションがあります。 このポジションの人が部活動人事の要です。採用、解雇、円滑に行われているかを見てまわっています。(保護者からの苦情とか、対戦校からの苦情とか、施設管理なんかも) …

子どものスポーツの練習量はどのくらいが適切なのか。

ツイッターで日本の学校部活動で指導にあたっていらっしゃる学校の先生方の負担の大きさが話題になっています。 内田良先生はヤフーにこのような記事を出していらっしゃいます。 部活動 先生も生徒も 本音は「休みたい」――「みんなやりたいと思っている」勘…

1962年ケンタッキー大学アメリカンフットボール部での虐待、体罰

ここ数日、The Thin Thirty という本を読んでいました。 これは1962年‐63年シーズンのケンタッキー大学アメリカンフットボール部の様子を描いたもの。新任のブラッドショーコーチと他のアシスタントコーチが体罰を含む指導、虐待的な練習をしていたこ…

米国学校運動部の指導者、報酬はいくらか。

以前にこのブログで、米国の学校スポーツでは学校内外から指導者を募るというレポートをしました。 学校外の人、教員でない人が運動部の指導者になる場合は、講習や犯罪歴確認など、いくつかの手続きをふまなければいけません。 さて、部活の指導に対して支…

学校運動部と選手以外の生徒

8月から「学生マネジャー」「女子マネジャー」というキーワードでじわじわ調べものをしておりました。「学校運動部」や「外部指導者」についても、私の身近な米国事情をレポートしてきました。 今日はその組み合わせとして「学校運動部」と「選手以外の生徒…

アメリカの大学アメリカンフットボール部のマネージャーを目指す?

昨日のエントリーで、うちの長男のアイスホッケーの試合会場がノートルダム大のリンクだったことを書きました。 そのエントリーの文中で、「私はうちの子どもが競技優秀者に与えられる奨学金を得て大学に進学することは狙っていない。考えていない」という内…

大学のリンクを使用してのトーナメント戦

週末は、長男が泊りがけのアイスホッケートーナメント戦に出場しておりまして、私は運転手をしておりました。米国のフリーウェイを制限速度で走って、休憩なしで片道3時間強かかりました。イリノイ州にも近いため、シカゴ近辺のチームが多く参加しているよ…

『女子マネージャーの誕生とメディア』 感想文とメモ(1)

私はこれまで「女子マネ」にはあまり関心がありませんでした。 今年(も)、日本で「女子マネ」の美談報道があり、それが問題視され…ということがあったようです。いつもならスルーするところだったんですが、ちょっと検索してみると、アメリカにも女子のマ…

NFL、小学生の算数カリキュラムへの進出を狙う。

アメリカンフットボールのNFLが、子ども向けのオンライン教育ゲーム会社と提携したようです。ウォルストリートジャーナルの記事 How The NFL Is Marketing Itself To Children - CMO Today - WSJ 何を教育するかというと、主に算数・数学だそうです。 NFLと…

学生スポーツ。それぞれの関わり方で参加したい。

元オリンピックのソフトボール代表選手であるジェシカ・メンドーサさんは、現在、高校生選手を大学に送り込んだり、大学側が有望選手を見つけ出すというリクルート業に携わっています。 メンドーサさんは、奨学金を得て大学進学を狙う中高生のソフトボール選…

米国高校野球 女子選手、タイトルⅨでプレーする権利を勝ち取った例. 女子マネ関連4

日本高校野球連盟が公式戦に出場できる選手を男子生徒と限定している。 これはよく知られた話だと思います。そのため、女子マネジャーの話題が上がると、女子には高校野球連盟で公式戦試合に出場する選択肢が与えられていないことと、セットで語られやすいで…

高校アメリカンフットボール部とお金集め

まもなく高校アメリカンフットボールは開幕! これから金曜日の夜になると、高校の駐車場に入りきらない車が路駐され、夜空には秋の月とともにライトがともります。 今日、近所のスポーツ用品店に行きました。チェーン店ですけど業界最大手ではありません。 …

スポーツと女子マネ問題の3 米大学運動部とマネジャー問題

日本の高校野球部における女子マネジャーの存在や役割について議論が出ているようです。 アメリカの学校運動部にも「スチューデント・マネジャー」という役割があります。そのため、男子チームに女子のマネジャーがいることもあります。 ただ、「マネジャー…

女子マネジャ- チャンスの平等と能力主義 追加事項あり

昨日、ツイッターでこういう記事があることを知りました。 米国にはタイトルⅨというい法律があり「女子マネジャー」は違法である、という内容でした。 おにぎり女子マネとタイトルナイン|りんがる|note 私は、ここに書かれてあることに反論するつもりはな…

エリートユースアスリートとホームスクール

米国は義務教育年代の子どもでも、学校に通わず、ホームスクールとして家庭や学校以外の場所で教育を受ける権利が認められています。このあたりが「自由の国、アメリカ」の面目躍如かなと思います。 ただし、何でもかんでもご自由に、というのとは少し違いま…

アメリカの高校スポーツにも女子マネジャーはいる。メイド?

// 今朝、ツイッターを見ていたら、高校野球の女子マネジャーが話題になっていた。 甲子園出場校の女子マネジャーが選手のために、これまで2万個のおにぎりを作ってきたと。そのおにぎりづくりのためにあえて学力の高い生徒のためのコースに入らなかったと…

Safe Sport の講習を受けなければ

私の子どもたちはアイスホッケーをしていて、ミシガン州アマチュアアイスホッケー協会(MAHA)の規則によって運営されているチームに所属しています。 ミシガン州アマチュアアイスホッケーでは夏休みが終わると間もなくシーズンが始まりますが、今季から…

プロテクトと内部進学

私は以前から、アメリカの未成年のスポーツシステムは日本の私立中学受験とか、高校受験、大学受験とよく似ているなあと思っていました。 例えば、レクリエーションではなく、トライアウト=受験が必要なトラベルチーム、さらに強豪のエリートトラベルチーム…

熱中症

日本でも夏休みに入りました。 夏休みは、スポーツ活動をする時間が多く確保できますが、だからといって急に練習量を増やすことは避けたほうがよいようです。 1週間から2週間かけて暑さになれながら、練習量を増やしていくのがよいとされています。 また、…

親が子どものスポーツにお金つぎ込み過ぎると、子どものスポーツの楽しみが減少する。

数日前、ウォルストリートジャーナル紙に、研究調査の結果として、親が子どものスポーツに多額のお金をつぎ込むと、子どもがスポーツをして感じる楽しみややる気がそがれるようだという記事が掲載されました。 The Problem for Sports Parents: Overspending…

メジャーリーガーの少年時代

私は以前からメジャーリーガーたちが、米国出身の選手だけでなく、日本や中米の出身の選手が少なくないことに興味を持っていました。 10年前には 帝国化するメジャーリーグ という本を出しています。 それからも、国際大会で戦う選手であっても、国や地域…

自由な遊び時間はオーバーユースを防止する。

先日、このような記事をブログに書きました。 高収入世帯の少年・少女選手のほうが、オーバーユースによるケガをしやすい。 - 『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院) momsteam というウェブサイトでも、この研究結果をもとにオーバーユース…

学校の部活動における教師の負担を考える。

今日は、このツイートから、学校の部活動における教師の負担について考えたいと思います。 【ブログ】学校の部活動はどこまで指導者の善意に頼っていいのか(為末大) http://t.co/XPyfNq5a3s— ハフィントンポスト日本版 (@HuffPostJapan) April 21, 2014 学…

十代の外傷性脳損傷と自殺、いじめとの関係について

今日もツイッターから気になるニュースがありましたので紹介します。 Teens who suffered concussion twice as likely to be bullied; three times as likely to attempt suicide: http://t.co/7mKtywHNWH— Education Week (@educationweek) 2014, 4月 16 こ…

高収入世帯の少年・少女選手のほうが、オーバーユースによるケガをしやすい。

米国では、子どもが学校区でトップクラスかそれ以上の運動能力を持っていて、親が子どものスポーツに対して経済的な支援のできる余裕のある家庭だと、いくらでもお金をつぎ込める仕組みになっている。 このブログでもプライベートレッスンやエリートトラベル…

高校トライアウト 人数制限し優秀な選手を選ぶカットか、全員を入部させるカットなしか

今日、ツイッターでこんな書き込みを見ました。 Mass. HS shifts from no-cut to cut policy for sports. http://t.co/lAbl74bElh— Bob Cook (@notgoingpro) April 11, 2014 マサチューセッツ州にある高校運動部は、ノーカット(全員入部)の方針だったのを…

春のダブルロースター

うちの子どもたちのアイスホッケーシーズンは3月で終了。 先週は、次のシーズンを編成するためのトライアウトが行われました。 次のシーズンとは、秋・冬シーズンではなく、春のスプリングホッケーと呼ばれるもの。4月から5月末までの8週程度の期間、主…