谷口輝世子Kiyoko Taniguchi

米国在住のライター。日本ではスポーツ紙の記者をしていました。スポーツ取材が中心です。

標準テストは、貧困やマイノリティの子どもに有効か否か 覚書

 州標準テストに関する本
opposing viewpoints Standardized Testingこの本はタイトルの通り、ひとつの事柄に対して、対抗する2つの意見を紹介する(恐らく中高生向け)シリーズ。

Standardized Testing (Introducing Issues With Opposing Viewpoints)

Standardized Testing (Introducing Issues With Opposing Viewpoints)

自分なりのまとめ
●標準テストは貧困とマイノリティの生徒たちの教育向上に役立ったとする意見

 NCLB(No child left behind 落ちこぼれ防止法)2002年制定

 NCLB施行以前は、貧困地区、マイノリティーの子どもたちの学力が、他の人たちから全く関心を持たれることがなかった。どのくらい出来ないのかなども、よく分かっていなかった。彼らの成績は「fine」の一言で片付けられ、高校を卒業してしまっていた。

 テスト結果のデータ作成にあたって、NCLB施行以前には、人種、性別、経済的背景、英語母語かどうか、などのカテゴリーを設けていた州が少なかった。(そのため、特定のグループの学力問題が数値として見えにくくなっていた)

 テキサス州だけがこれらのグループが他のグループとのギャップを縮めることを州の目標に掲げていた。

 NCLB施行により、貧困、マイノリティの子どもたちの学力に関心が持たれ、学力向上に努めるようになった。

 NCLB施行後、多くの州において全体的な成績が上がっている。2005年の調査によると、2000−05年の間に9歳児のリーディングはその前に28年間の伸びを上回るものであった。

 ●標準テストは、貧困やマイノリティの子どもにとって有害とする意見

 教員の質や量、教材の質や量が、ミドルクラスやアッパーミドルクラスに追いついていないなかで、生徒だけ、彼らと同じテスト結果を出さなければいけないというのはおかしい。

 彼らがテストで結果を出すための指導に時間がとられて、これでは、生徒に本当に必要な学習内容を指導することができない。

 また、予算が十分でない地区では、テストで結果を出すために、美術や音楽などのその他の授業が削減される可能性が高い。

 貧困地区、マイノリティの子どもたちは高校のテストで一定の結果を出せないため、そのことで高校卒業資格が得られない、または中退するという状況にある。そのことで、彼らの大学進学や、キャリアにおいてより困難な状況になる。