谷口輝世子Kiyoko Taniguchi

米国在住のライター。日本ではスポーツ紙の記者をしていました。スポーツ取材が中心です。

道路以外で発生する、車と子どもの事故

駐車場などで、子どもを車中に残してはいけない。これは120%正しいです。

短時間であっても、暑くなくても、寒くなくても。

私は以前に拙著『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』で、12才ごろまでは親の完全な付き添いを求める米国の社会に悩んでいることをお伝えしました。そこで、保護者と子ども自身ができる限り、安全に配慮したうえで、子どもだけで移動したり、遊んだりできるようにできないものかと訴えました。

その時には、車の中で子どもだけの状態にすることは、子どもにとっては何のメリットもなさそうなので、これについては反論なし、としました。

今もその考えには変わりはありません。

今年も米国内では、8月12日までに車中で熱中症死したお子さんが23人もいます。

以下のリンクは道路でない場所での交通事故死についての資料です。

Statistics

車中で熱中症でなくなったお子さんが23人いて、車がバックするときに亡くなったお子さんが45人、前進するときに亡くなったお子さんが31人います。

このことからも、駐車中の車のなかにお子さんを放置することは危ないですし、車を発進させるときには周りに子どもがいないか細心の注意を払うことが必要です。

ただ、いらない一言を付け加えたいと思います。車の出入りが激しい駐車場で、乳幼児を2、3人連れて歩くのは、世話をする大人としてとても怖い思いをする瞬間のひとつでしょう。

私には2歳差の子どもが2人いるだけですが、乳児と幼児だった10年前は、日々の買い物でも、まず駐車場で自動車から小さい方の子どもを抱っこひもにいれ、トランクからベビーカーを取り出し、大きいほうの子どもをベビーカーに乗せてということを繰り返していました。買い物後にはさらにここに買い物した日用品や食料が荷物としてあります。年齢の近い子どもが3人、4人という家庭だったら、よほど神経を張りつめる瞬間かもしれません。

アメリカでは車中に車を残すことは育児放棄と見なされる可能性が高いですから、車に子どもを残すことはできません。子ども家で留守番させることも育児放棄と見なされる可能性があります。

夏ではない時期に、スーパーに牛乳を買いに走る間、5分だけ、車で待っていて。とエンジンを切って、子どもだけを車中に残すほうが、3人、4人の小さな子どもを連れだすよりもより安全と思われる状況がないとは言えないのではないかと感じることもあるのです。車のバックや前進によって亡くなったお子さんは76人いるわけですから…

子どもが車の発進の際に亡くなる事故は防ぎようのないものというイメージがありますし、子どもを車中に残すことは文字通り「不注意」ではなく「放置」ですから、社会の受け止められ方も異なるかと思います。放置している間に、親が誰かと遊んでいたり、日本だったらパチンコをしていたりということもありますもんね。

車中に子どもを残しても大丈夫だなどと、私は言っているのではありません。

ただ、一概に車中に子どもを残すのは絶対に育児放棄とするのではなくて、子どもを世話する人に本当に安全だと感じられる、考えられる手段を選択させてくれてもいいのじゃないかと思うのです。

ここからはジョーダンというか皮肉なのですが。

アメリカでは、涼しい日にわずか数分でも子どもを車中に残すことを受け入れられないというのなら。

●暑さ指数○○以下。●エンジンを切った状態。●車が勝手に動き出さないように平らな土地に駐車していること。●ハンドブレーキを引いていること。●3分以内ならよい。●子どもがカーシートから抜け出さないようにする。●年上の子どもについては駐車場の車中で起こるリスクについて教育する。というように詳細を取り決めるとか。

現在の監視カメラの技術とビッグデータの解析で違反も見つけられると思います(笑)