Safe Sport の講習を受けなければ

私の子どもたちはアイスホッケーをしていて、ミシガン州アマチュアアイスホッケー協会(MAHA)の規則によって運営されているチームに所属しています。

ミシガン州アマチュアアイスホッケーでは夏休みが終わると間もなくシーズンが始まりますが、今季からはSafe Sportの講習を受けていない人は、たとえ幼い選手の保護者であってもロッカールームに入ることができないことになりました。

これまでのロッカールームの規則は、コーチが2人入ること、だったのです。

コーチ1人と子どもだけという密室になるという条件は絶対に避けなければいけないものとされていますし、コーチだって、へんな濡れ衣を着せられないためには、ロッカールームという密室のなかで、選手(子ども)と2人になるのは避けなければいけませんもんね。

それで、Safe Sportって何かといいますと、

米オリンピック協会が、スポーツ活動時に起こる虐待(日本でいう指導者の体罰も入ります)、性的虐待、選手間のいじめなどをなくしていくためのキャンペーンのことです。これをもとに各種目でアレンジして規則としているわけですね。詳しくはググってくださいませ。

ミシガン州アマチュアアイスホッケーだけでなく、全米的にもロッカールームの立ち入りに講習を受けることを義務付けているようです。(スイマセン、未確認)

USAアイスホッケーでも、Safe Sportのガイドラインは特にロッカールーム内で起こる虐待やいじめ、性的虐待に焦点を当て、このガイドラインを参考に行動すれば、虐待やいじめにつながる言動を防ぐことができるとしています。

保護者や一般向けの講習はオンラインで約90分。私も何かの用事のときにロッカールームに入ることがあるかもしれませんので、講習を受けなければなりません。

実は、おしかりを受けるとは思いますが。

私はどんな分野のものでも、短い言葉で表現したスローガンには多少の警戒心を持っています。短い言葉で表現された正しいことを押し通そうという人が大多数になると、そこから漏れ出た現実が「正しくないこと=悪」とされて、ものすごく決まりきったことしか許されなくなるような杞憂というか。

その一方で、こういうキャンペーンが展開され、お互いがロッカールームという場のなかで、気持ちよくふるまうことのできるお作法が明示され、そのお作法を多くの人が自分の中に取り入れていくことによる変化には期待しています。言葉づかいやふるまいのマニュアルとも言えるかもしれませんが、それが根付いていくことで、気持ちよく、機嫌よくスポーツできるようなカルチャーの変化がじわじわ起こってくるようにも思います。

日本でも体罰をなくしていくには、上からの命令であれば、理不尽なことを受け入れることだったり、集団に対するゆがんだ忠誠心と向かい合う必要があるはずです。

たぶん、アメリカでも、Safe Sportは、アメリカのマッチョが好まれる文化のある面(全てではないと思いますが)と向き合うことなのかなとも思っています。

とにかく、講習を受けなければ。また、感想を書きますね。