私はアメリカで2人の子を産みました。
上の子どもが2歳後半、下の子どもが生後半年のときに、家族で1年半の短い間、
日本で暮らしたことがありますが、それ以外はアメリカで子育てしています。
お産のときは二度とも、1週間の有給休暇をとった夫だけが唯一の助けでした。
それでも、多くのアメリカのシステム、アメリカ人や近所の日本人に支えてもらったおかげでなんとか子育てのスタートが切れたと思います。
初産のときは産後専門のお手伝いさんに1週間来てもらい、大変、助かりました。
たぶん、この人がいなければ、母乳育児はスタートできていなかったと思います。
「とにかくあげ続けること」と気合を入れられました。
家の掃除や簡単なサンドイッチなどを作ってくれたほか、赤ちゃんをお風呂に入れる方法なども実演してくれました。
お産でお世話になった病院は2日で退院しましたが、短い入院中にいろいろなシステムに登録しました。
保健士の訪問を希望するかと聞かれたので、希望しました。
保健士さんは、月に一度ほど、体重計を持ってやってきて、子どもの様子を見たほかに、
私にこんな話もしてくれました。「赤ちゃんのなき声にイライラしたら、まず、赤ちゃんを安全な場所に寝かせなさい。それから泣き声の聞こえないところにいって、深呼吸してね」。
子どもの泣き声にイライラするというのは、自分だけではないのだ、ということに、この言葉によって初めて気がついたと思います。
あとは、病院が紹介してくれた先輩ママのボランティア制度です。
1、2年先にお産を済ませた母親がボランティア(講習を受けてます)として、家に電話をかけてきてくれるのです。
そして、夫の愚痴を聞いてもらったり、夜中、赤ちゃんが泣きっぱなしとか育児で疲れていることを聞いてもらったりしました。
一度、家によんでもらったこともあります。
日本でも虐待や育児放棄などのニュースがあとを絶ちません。
貧困や親の未熟さや、背景にはいろいろ問題があると思われます。
妊婦のとき、お産のとき、助産院や病院にソーシャルワーカーやカウンセラーに常駐してもらって、退院後もサービスを受けられるようにするというのはどうでしょうか。
小児科でも、親のためのカウンセラーに常駐してもらう。
子育ての愚痴を聞いてもらう傾聴ボランティアのような存在。
保育園の一時保育とか、地域の子育て相談みたいなものも、妊婦のときから、いざ、利用したいときによく分かるように知らせておくとか。
冷蔵庫に貼り付けられる大きめのマグネットに、電話番号を大きく書いて、
子どもをひどく叩きたくなったりしたら、電話してもらうとか。
そりゃ、人件費はかかるでしょうが…。
こんなことをしても、虐待は減らないかもしれませんが。
なにしろ、私を含め、私より若い世代は、母親になるまで小さい子どもの世話をした経験もほとんどないし、
生活はほぼ全て機械化されていて便利のなかで生きている。
思い通りにならないという体験は、子どもを持ってはじめて味わうものでもあるので。
でも、親に手錠をかける前に、知恵をしぼっていかないととは思うのです。