日本高校野球連盟が公式戦に出場できる選手を男子生徒と限定している。
これはよく知られた話だと思います。そのため、女子マネジャーの話題が上がると、女子には高校野球連盟で公式戦試合に出場する選択肢が与えられていないことと、セットで語られやすいですね。
米国にはタイトルⅨという法律があり、政府の補助金を受けている教育機関において、男女の性別によって、教育や活動機会を差別してはいけないとなっています。運動部活動もこれに含まれます。
タイトルⅨは約40年前に作られたものですが、米国でも40年前から、すんなりと女子選手が高校の野球部に入ることができたわけではないようです。
ニューヨークタイムズの2009年の報道
http://www.nytimes.com/2009/03/01/sports/baseball/01baseball.html?_r=1&
カリフォルニア州で野球部に参加させてくれる高校を探す女子選手の様子が報道されています。(ロサンゼルス北の郊外。バーバンク高校というのが私の以前、住んでいた場所の近く)また、この2009年時点でマサチューセッツの高校運動協会では女子選手が高校野球部に入ることを認めていないとされています。
同じ2009年の出来事。インディアナ州では、州の高校運動協会が、これまで女子選手が高校野球部に入ることを禁じていたのですが、一転して認めるようになりました。高校運動協会のトップが変わったわけでもなく、トップや規則を決める人たちの気が変わったわけでもありません。
ある女子選手が高校野球部に入りたいと訴え、女子選手が高校野球部へ入るのを禁じる規則の適用を拒否したのです。もし、入れてくれなければ、タイトルⅨを理由に訴えますよ、と主張したそうです。
州の高校運動協会は弁護士に相談し、どうやら裁判になると旗色が悪いようだということで、女子選手の野球部入部を禁じる規則を取りやめることになったそうです。
規則を取りやめることになった時点でも、州の運動協会のトップは個人的には女子選手が野球部に入ることにはイイ顔はしていません。
このmomsteam
Indiana Drops Rule Against Girls Playing Baseball | MomsTeam
の記事によると、裁判になって負けた場合には数百万ドル(数億円)のお金を支払わなければいけないリスクがあるとか。それでインディアナ州はお金を支払うリスクを避けるために女子の野球部禁止規則を取り下げたのではないか、としています。
もしも、2009年のインディアナ州に野球部に入りたいと訴える女子選手がいなければ、入部禁止規則は今も存続していたかもしれません。
運動協会の役員や社会の慣習の考え方は「女子はソフトボール部へ」だったかもしれませんが、タイトルⅨがあることによって、女子選手がプレーする権利を勝ち取った例です。