谷口輝世子Kiyoko Taniguchi

米国在住のライター。日本ではスポーツ紙の記者をしていました。スポーツ取材が中心です。

保育時間の2パーセント

USAトゥデー紙は4日、保育園、託児所などに通う幼児が活発な遊びを十分にしていないと伝えた。
 オハイオ州シンシナティの子ども病院が同州の保育園、託児所などを調査したもので、子どもたちは多くの時間を座るなどして過ごしていることが分かった。

 座っての活動時間は保育時間の70−83%(食事、昼寝を除く)を占め、活発な動きのある活動は保育時間の2−3%にとどまっているという。

 調査グループでは、学習に時間が割かれていることと、ケガへの懸念から活発な活動時間が少なくなっている可能性があると指摘している。

http://www.usatoday.com/LIFE/usaedition/2012-01-04-Sedentary-child-care_ST_U.htm


 以前にスキップのできない小学生がいることをブログで書きました。

 この記事でも調査グループの代表者が「子どもたちは、プリスクール(就学前の保育園や託児所)を終える頃になってもスキップができないのです。しかし、保護者たちは、子どもがABCを覚え、数を数えられれば、そんなことは全く気にしていないのです」とコメントしています。

 変わりに勉強に力が入れられている様子。
 私の住む学校区では5歳からキンダーガーテンと呼ばれる公教育が始まります。しかし、ブッシュ政権時代の落ちこぼれを出さないという政策もあって、キンダーガーテンの学習内容はかつての1年生とほぼ同じものとさえ言われています。(先生からもそう説明があった)

 つまり5歳でアルファベットは少なくともだいたい読み書きできていて、簡単な本を読み、スペリングはあやふやでもちょっとした作文まで書かなければいけません。しかも、成績表もいただいてきます。(二男は早生まれにあたり4歳10カ月だった…)

 ご存知のように、英語は日本語のひらがなとは違い、アルファベットを覚えることから単語が読めるようになるまでのハードルがやや高いのです。そのため「本が読める」ことをウリにしている保育園や幼稚園が少なくはないようです。

 体を動かすことができなくても将来において不利にはならないという考えが大人に浸透しているのかもしれません。

 体を動かすことは「安全」なフィットネスやスイミング教室でやればいいと考えられているのかもしれません。

 子どもを預かる保育園側にとって「ケガ」は絶対に避けなければならないことだし…。
 保育園に十分な人数の保育士がいるか、子どもを連れてすぐに行けるところに危険なものが置いていない遊び場があるかも大きいとも感じます。

 私は健康のために外遊びさせるほうがいいなんてことはあまり思いません。(それもちょっとまたイヤらしい感じがする)。でも、多くの子どもは外で遊びたいのではないかと思います。走り回ること、砂いじりなどと好きな遊びの違いはあるでしょうが……。

 子どもたち自身も安全に最大限に配慮しながら、小さいケガのリスクはあるという葛藤のなかで、その都度、臨機応変に(テキトーに)遊んでいくというようなことはできないもんでしょうかね。

 「効率化される子育て」という話を聞いたことがありますが、この調査結果は、まさにその言葉を思い出させるものでした。

 大人になっても効率よく仕事して、体を動かす作業は避けて、生きていけばいいから、別に問題ない。みたいな空気を感じる今日このごろでございます。