アイス・バケツ・チャレンジとアメリカの寄付お願い

数日前から、日本でも「アイス・バケツ・チャレンジ」のキャンペーンが広がっているようです。

この「アイス・バケツ・キャンペーン」は、8月22日付のハフィントンポスト日本版には次のように説明されています。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病啓発のためのチャリティキャンペーンで、指名された人は「アメリカのALS協会に100ドル寄付する」「頭から氷水をかぶる」「その両方をやる」から、選択することができます。最後に、次の挑戦者を3人指名してバトンを渡す、という仕組み。

 多くの有名人、一般の人々が参加し、これだけの話題になれば、大きな額の寄付が集まり、病気の存在や病名を知るだけでも、啓発につながったといえると思います。うちの近所でも、「やったよ」というお子さんがいました。キャンペーンのアイデアとしては大成功です。

一方で「指名された時点で断れない重圧を感じる」という声もあります。何にしろ、「正しくて、よい」とされることを断ることは、なかなか難しく、実行に移すにも勇気がいるものだと思います。

米国ミシガン州のデトロイト郊外に住んでいる私。家には固定電話をひいています。

外の取材に出ない日は、日中、家にいることもあります。そうすると、家の電話にセールスや、テープ音声による「無料旅行に当選しました!」とかわけのわからん電話が1時間に一回程度、かかってきます。手の離せない用事をしているときだと、キレかけます。

そういった電話のなかで、最も多いのが、クレジットカードの勧誘と寄付のお願いなんです。うちの固定電話の場合。

寄付のお願い電話は、警察官支援、白血病支援、新生児支援などが多いです。うちの固定電話の場合。

電話で、寄付をすると返事をすれば、自宅に封筒が送られてきて、そこに小切手かクレジットカード情報を入れて、送り返すようになっています。

白血病支援や新生児支援などは、大量にチラシと封筒が同封されています。これを近所や知り合いの●名に配ってくださいとお願いされているんですね。このつながっていくというのは「アイス・バケツ・チャレンジ」と似ています。

また、子どもが通う学校でも、缶詰や生鮮食品ではないシリアルなどを集めて、食料が足りない人たちに渡すということもやっています。多くの小学生は正義感に燃えていますから、缶詰集めの目標数を設定したら、それに近づくまで頑張ろうとします。それで、私にも「大量販売の店で缶詰を買ってきてほしい」と頼みます。

ホールフーズマーケットというスーパーではレジでお金を支払うときに、「寄付しますか?」と聞かれることがあります。ペットのえさなどを買うお店でも、カードで機械を通して支払うと、カード読み取り機の画面に「寄付しますか」と出てきます。

私は、いつも迷います。どの団体にどの程度の金額を寄付すればよいのか。本当は多くの団体にたくさん寄付できればいいけれども、私自身はあまり収入がありません。

そこで考えたのが、年初めにだいたい自分の収入と生活に必要なお金を予算として把握し、寄付にまわせるお金はどのくらいなのかをあらかじめ設定するということです。

アメリカではお金を寄付すると、税金の一部が免除になります。

だいたい、自分が寄付できる金額を設定しておいて、自分がサポートしたいのはどの団体か、どの団体だったら自分が寄付したお金を本当に必要な人たちのために使ってくれるのかをちょっと調べたり、私自身の信頼、好みであったりで、決めます。

自分の寄付リストに入っていないところから、電話がかかってきた場合、ノーと言わなければいけないのですが、それは、気持ちのよいものではありません。

今回、アイス・バケツ・チャレンジに「お金の寄付だけ」で参加された人や、その人なりの考え方を表明して参加されなかった人。そういった人たちのご意見を目にして、私ももう一回、少ないお金だけども、どんな人のどういうことに役立ててもらいたいのかを考えなければと思いました。