これは昨年10月に報道されたニュースです。
http://www.cnn.com/2013/10/16/us/holy-cross-coach-lawsuit/
たぶん、メジャーリーグプレーオフ取材中で、見逃していたのかもしれません…。
マサチューセッツ州にあるホーリークロス大女子バスケットボール部。
元選手のアシュリー・クーパーさんは、ギボンズコーチから、襟元をつかんでひっぱる、肩を持って揺さぶる、背中を叩かれたりして、身体的、心理的に虐待を受け、学校側もこれを隠ぺいしたとして訴えています。
学校側は以前の調査では、こういう行為があったことを証明できなかったと答えています。
しかし、この法的な訴えを受けて、学校側も新に調査を開始し、ギボンズコーチは自主的にコーチ業を一時停止したとあります。
クーパーさんは優秀な運動選手に与えられる奨学金を得て進学し、バスケットボールをしていましたが、虐待をされたため、退部したようです。そのため、奨学金ももらえなくなりました。
これが昨年10月の報道です。
では、現在、どうなっているのかということを検索しますと、地元紙の報道が出てきました。
http://www.telegram.com/article/20140114/NEWS/140119929/0
自主的にコーチ職を離れていたギボンズコーチが1月中旬にコーチ職に復帰。
学校側は再調査をしたが、コーチ職を休み続けるという理由は見当たらないという結論に達したとしています。
ホーリークロス大の現役の女子バスケットボール部員とアシスタントコーチら60人以上がギボンズコーチ支援の署名。また、すでにバスケットボール部を卒業したOB選手、現役選手の保護者もコーチ支持。
クーパーさん側はまだ、法に訴えることを続ける様子。
私は、この両者のやりとりを直接、見てきたわけではありませんので、本当に体罰や虐待があったかどうかは分かりません。大学の調査の結果、また、現役選手の様子から見て、体罰や虐待に相当する行為はなかったのかもしれません。
(こんなこと言いたくないけど、タマに当たり屋的に訴訟を起こす人がいるのもアメリカだし)
ただ、最近、体罰はなぜなくならないのか (幻冬舎新書) という本を読みました。
こちらは日本の体罰に関して詳しく取材されたものです。ここでは、体罰をした教師をかばおうとする人たちについても書かれています。
日米で「訴える」という行為はかなり違いがあるようにも思えます。
ホーリークロス大で現役選手、OB、保護者がコーチを支持したのは、日本のそれと共通したところがあるのでしょうか、ないのでしょうか。
以前、米大学バスケットボール部の別のコーチが、体罰や虐待があったとして、やめることになったケースがあります。この大学でも内部調査をした後、コーチに「アンガーコントロール」のセラピーだったか治療だったかを受けることを義務付けることで終わっていました。しかし、これが米国のメディアに出て、体罰している動画が流れたことから、収拾がつかなくなり、結局はコーチをやめさせたことがありました。
ところで、コーチの体罰や虐待で、ニュースとしてマスコミに出てくるのは、なぜか大学バスケットボール部が多いようです。なんででしょ。