二大会連覇がかかっていた韓国のキム選手は2位で銀メダル。
私は米国NBCの夜の録画放送で日本の浅田選手からのスケーティングを見ることができました。
一夜明け、ネットのニュースをチェックすると今大会限りでの引退を表明しているキム選手とそのお母さんの話題が記事になっていました。http://www.today.com/moms/olympic-sized-empty-nest-what-will-yuna-kims-mom-do-2D12146242
これまで、お母さんはヨナ選手に付き添うため、絵を書くレッスンなどをやめて、韓国に夫ともう一人のお嬢さんを残して、献身的にサポートしてきたとあります。
オリンピック選手、しかも、金メダルと銀メダルを獲った選手のお母さん。キム選手の引退は、お母さんの空の巣症候群を誘発するのではないかというのが記事の前フリです。
(キム選手のお母さんにしてみたら、余計なお世話かもしれませんね)
この記事では、すでに「空の巣症候群」状態を経験した米国代表選手のお母さんを紹介。水泳選手として2012年のロンドン五輪で大活躍したミッシー・フランクリンのお母さんの話です。
お母さんは医師か何かをしていたようですが、娘のミッシーさんが4種目で金メダルを獲る前後、ミッシーさんへ取材申し込みが殺到し、それをさばくために2年間、仕事を休業されたそうです。
もちろん、五輪に出場する前から、娘の練習の送り迎えに付き添い、健康的な食事を用意し、学校の宿題もしっかりできているのか目を配りと忙しかったとのこと。
これは五輪出場選手でなくても、スポーツや何らかの活動をしている親なら、多かれ少なかれ経験していること。それは、この記事の中にもミシガン州プリモス市のお母さんのコメントとしても出てきます。(このプリモス市在住のお母さんの子どもがアイスホッケーをしているのなら、私はきっとどこかのアイスリンクですれ違っていることでしょうというくらいの距離!)
ミッシーさんのお母さんは、娘の水泳の練習に関してはコーチにまかせ、自分はコーチではなく、母親であろうとして過ごしていたとのこと。娘の練習時間を利用してスーパーマーケットで買い物をしたり。気持ちのなかで娘のスイミングと自分との区別をつけられていた印象です。
それでもミッシーさんが大学に進学するため(引退ではない)、家を出てしまうと、空の巣症候群のようになったそうです。一日中、ずっと座り込み、何もしないことがあったと。動かなければいけない理由が見当たらない、ずっと座っている、といった感じのようです。
今は空の巣症候群を脱したようですが、娘のミッシーさんの部屋はそのままにしているそうです。彼女がオリンピックのときに身に着けていたジャージー類などは以前と同じ状態でクローゼットにつるしているとのこと。
現役選手が引退するときに、うまく新しい生活に入っていけるか、セカンドキャリアの問題が取り上げられています。選手を支える立場であった親のほうも、子どもが引退するとき、子どもがこれまでのようなサポートを必要としなくなったとき、今までと何か調子が狂うといったことはあるようです。
以前、カナダのスポーツ研究の本(スイマセン、どこで読んだか忘れました。ツイートはしたと思います)にも、プロアイスホッケー選手のお父さんが、息子の試合を観戦することをとても楽しみにしている人であったため、息子の引退を受け入れるのに1年間ほどかかったという話が書いてありました。
全然、関係ないですが、高校生のスポーツなどで脳震盪を起こし、これ以上、スポーツを続けることは危険だといドクターストップがかかったとき、それを保護者はなかなか受け入れられないとも聞きます。
私も子どもの試合を観戦するのは、おもしろくてたまりません。これが急に、明日からできなくなると言われれば、受け入れるのに時間がかかるだろうなというのは自分自身のこととして簡単に想像できます。
月末に、選手のキャリアの転換を専門にしている方にお会いする予定。保護者や家族についてもうかがってきたいと思います。