マイナーリーグ経営はなぜ、儲かるのか

  メジャーリーグ傘下にはマイナーリーグがあり、それぞれ独立採算で経営を行っていることはよく知られていると思う。

 マイナーリーグだけでルーキーリーグ、1A,2A,3A(3Aが最もメジャーに近い)などとに分かれていて、総チーム数は200を超える。

 マイナーリーグ球団はごく一部をのぞいては、メジャーリーグの所有球団ではなく独立した球団。

 メジャーリーグ球団とは選手育成契約を結んでいる。この業務提携期間満了すると、他のメジャーリーグ球団傘下になることも珍しくない。

 選手育成契約により、マイナーリーガーとコーチ、監督の給料はすべてメジャーリーグ持ち。(といってもルーキーだと月に1000ドル、メジャーリーグ40人枠に入っていても、年俸6万ドル程度)

 だから、マイナーリーグ球団は入場料やスポンサー料などで、球団と試合の運営費(球場のリース代なども)さえ稼ぐことができれば黒字経営になる。

 メジャーリーグ球団が選手の年俸を支払ってくれることで、マイナーリーグ球団の経営は楽勝のようにも思えるが、そんなこともない。

 まず、育成するべき与えられた選手で試合をしていくので「今年は勝てるチームを作って観客を増やそう」という営業戦略はムリ。勝っても、負けても、よく打つ若い選手や期待のピッチャーがメジャーに昇格していっても、お客さんに来てもらわなければいけない。

 それにもともと、地方都市のさらに地方都市といった人口の多くない場所にある。

 勝敗や順位に関係なく野球を楽しんでもらうことや野球の試合を見るついでに、他にも楽しんでもらえる要素があるかどうかが、観客動員増の大きなカギだ。

 私は子どもが幼児のとき、メジャーリーグの試合ではなく、マイナーリーグの試合に連れていった。
 
 幼児は3時間もの野球の試合を座って観戦するのは難しい。
 
 理由は ①入場券が安いので、もし、子どもにぐずられて途中で帰ることになっても私自身のあきらめもはやい。
     
     ②メジャーリーグほど、球場が大きくないので、安いチケットでもグラウンドに近いところで野球を見る      ことができる。なので、幼児の興味を引くことができる。
     
     ③当時、子どもはあまりスター選手の名前や、どれだけすごい選手かが理解できなかったので、球場の雰      囲気を楽しめるほうがよい。
      球場の雰囲気そのものは、お祭り的、非日常的な華やかさ、売店もあり、グッズ販売もありで、野球観      戦ムードを演出している。4万人もの人が詰めかける球場よりも、数千人のお客さんのほうが子連れ時      の混雑疲れが少ない。

 米国人の知り合いは、子どものときに自宅から最寄のマイナーリーグ球団の試合に足しげく通い、
 後にツインズで活躍するカービー・パケットのマイナー時代をよく知っていることを得意げに話す。

 スポーツビジネスをやりたい若い人には、おもしろい職場だ。職員が少ないので、一人で何役もこなすので経営を覚えるにはいい場所だろう。

 3Aマイナーリーグは9月の最初の週末で試合は終わるけど、また、近々取材に行ってみようと思っている。

 わずか数ドルで、野球を楽しめるマイナーリーグ観戦はオススメです。ボロボロの球場というのはあまりなく、きれいな球場も多いようです。故障者リスト入りしている選手がリハビリ出場することもあるので、その辺のチェックをコマメにしているとさらに楽しめると思います。