今年の夏、日本に一時帰国したときにリベルタ学舎におじゃましました。
私と子どもたちは湯浅先生の踊らないダンスの授業に参加しました。うちの子どもたちは英語と(あやしい)日本語のなんちゃってバイリンガルです。普段は英語の中で暮らしているため、言葉と身体のつながりが、他の日本のお子さんとは違うかもしれない。そんなお話をリベルタのファシリテーターである湯川さんとしました。
英語には「腰」とがっちりと対になる単語がありません。backは腰も背中にも使います。腰か背中かを特定したいときにはlower back という言葉で腰であることを確かめます。
踊らないダンスでは腰骨の出っ張ったところ意識して動かしたりしたのですが、この股関節面における側方突起の出っ張りは英語ではhipになります。
日本語の「腰」は重要な言葉で、話の腰を折る、腰かけ、腰が重い、腰を抜かす、などに使われます。
スポーツの技術指導の場面でも「腰を落とす」という言葉が使われています。
うちの子どもたちはアイスホッケーをしていますが、スケートでも早く滑るためには腰を落とさなければなりません。
コーチの指示は
bend your knees,head up,chest up
です。(腰を落とすにはDrop your hipsがありますが、うちの子どもの複数のコーチはほとんど使っていません)。
ひざを曲げて胸と頭が下を向かないようにすると、だいたい腰を下ろしているのと同じ姿勢になります。同じ姿勢になりますが、頭で意識している身体の箇所は腰ではありませんので、このあたりで言葉と身体の動きの関係に影響が出てくるのかなと考えたりしています。
米国人は太っている人が多いので、ひざを痛めている人がたくさんいるようなのですが、もしかしたら、身体を支えているという意識が腰やhipには向いていなくて、ひざなのではないかと思ってみたり…。
スポーツ報道の仕事をしている私も実は困ることはあります。広報やトレーナー、選手から「backの手術をする」と言われると、それが背中なのか、腰なのか、確かめなければなりません。そうでないと日本語で記事を書くことができません。米国人の記者は「back」で事足りるのですが…。
また、身体の箇所を日本語の記事にするときには、右肩、左ふくらはぎなど左か右かを書かなければなりません。でも、メジャーリーグの発表などでは、右か左かが省かれている場合が多く、また、そのたびに私だけ確認に走るということをやっています。
昨日はうっかり忘れていて、上司から問い合わせのお電話をもらってしまった私です…。