谷口輝世子Kiyoko Taniguchi

米国在住のライター。日本ではスポーツ紙の記者をしていました。スポーツ取材が中心です。

子どものスポーツとジェンダー

子どものスポーツとジェンダー

 昨日、子どもたちの野球の試合に行ってきました。小学校低学年は男女混合でやっていて、女の子も数人います。

 彼女たちは揃いのユニホームこそ着ていますが、ベルトはピンク、ヘルメットとスパイクにはピンクのラインが入ったもの、髪はポニーテールと「女子選手」を強調する用具を身に着けています。

 これは氷上の格闘技といわれる子どものアイスホッケーでも同じことで、スケート靴にピンクの紐、スティックにはピンクのテープが巻かれていて、長い髪というヘアスタイルです。

 アメリカでは子どもだけでなく、中高生や大人も、女らしさをアピールするような細身のウエアや用具を身につけており、ヘアスタイルはポニーテールが多いのです。私の見た限りでは、バレーボール、サッカー、バスケットボール、テニス、ソフトボールなども同様でした。

 日本人のコーチと話をしたところ、日本ではあまり性差、女性らしさを強調するような用具やウエアが一般的でなく、選手たちも「男の子みたいな」感じのタイプが多いとのことでした。

 アメリカではいろいろな種目に女子選手が進出したときに、スポーツ用品メーカーが少女選手たちを顧客として取り込めるように商品を開発したのかもしれません。

 日本で行われた調査によると、男性を意識させるスポーツの種目、サッカーやレスリングでは、女性よりも男性の方が「スポーツを見ると、自分もやりたくなる」と答えています。(参考・スポーツファンの社会学

 しかし、フィギュアスケートでは、男性より女性ファンのほうが「フィギュアスケートを見ると、自分もフィギュアスケートがしたくなる」と回答した人が多いとのこと。

 アメリカで、これまで男性がしていたスポーツに女性が進出し始めたとき、男のように振舞うのではなく「女らしさ」が見ている人に伝わるようなスタイルで彼女らが登場したのかもしれませんし、スポーツ用品メーカーが仕掛けたのかもしれません。

 過去には男のスポーツとされていた種目で、トップの女子選手が見せる「美しさ」や「かっこよさ」に引かれて少女たちは「自分もスポーツをしたい」と思ったのかもしれません。そして、ピンクのラインの入ったスパイクを買い求めているように思います。

 アメリカではスポーツの競技者であることと、女らしくあることは相反せず、両立できるという下地があったのだとも思います。